素材別に攻略! 車内の清掃の悩みを解消・・・カーアイテム活用術②

  • 素材別に攻略! 車内の清掃の悩みを解消

環境的には車内は家に近い気もするが、車内というのは改めて考えると、実は汚い場所だったりする。外気に乗って汚れやホコリは入ってくるし、車内で飲み食いすれば食べこぼしがシートのすき間などに落ちていく。さらに夏場ともなればシートと背中の間は汗でびっしょりになって、出た汗はシートへと染み込んでいく。
その割には掃除するとしてもフロアマットを外に出して、掃除機をざっとかける程度だったりする。

ということで、汚いというか不衛生な場所と言ってよく、悪臭の原因になったり、雑菌やダニの繁殖にもつながったりするので、掃除機はかけるにしても、それプラスアルファのクリーニングはしてやりたいところだ。

実際にやるとなるとこれが大変で、掃除機をかけておしまいとなるのも納得できるほど。車内というのは単純に狭いだけでなく、形は複雑だし、素材も樹脂やクロスなどバラバラなため掃除に関しては難攻不落的な場所だったりする。

それを乗り切るためにはアイテム使い。今回は体に密着するシートを中心に、車内のクリーニングでのトレンドアイテムを紹介しよう。

車内清掃お悩み解消STEP① まずは基本中の基本、掃除機がけ!

クルマ用の掃除機は機動力が命

掃除機がけはやっているという方は多いのではないだろうか。ざっとかけるだけでも違うのは確かだが、せっかくやるならしっかりとかけてやりたいところだ。

家庭用は電源の問題があるので限定的だし、取り回しもあまりよくない。クルマ用掃除機の電源はシガーソケットから取るのが昔からポピュラーで手軽だが、コードがあるのがけっこう邪魔だし、吸い込み能力もそこそこだったりする。

最近、状況は変わってきている。具体的には電動工具のコードレス化が物凄い勢いで進んでいて、掃除機もコードレスタイプが増えているのだ。

これは歓迎すべき状況で、電動工具メーカーのものともなればタフで性能も文句なし。肝心のバッテリーは共通で同じ規格なので、もしDIYが好きで電動工具を使うなら、シリーズで揃えるのも手だ。バッテリーが使いまわしできるので、購入費用も抑えられるメリットもあるのでいいことづくしと言っていい。

またUSBで充電できるクリーナーもあるなど、コードレスは世の趨勢だ。一旦コードレスを使ってしまうとコードありには戻れないのが正直な感想だったりする。

  • シートのステッチや隙間はごみが詰まりやすい

    狭いところにいろいろなものが装着されているので、凹凸は多い。シートを見ても、ステッチやすき間が多くてそこにほこりゴミが溜まりやすい

  • 車内清掃の基本は掃除機掛け。コードレスでストレス解消

    まず下ろせるものはすべて下ろす。ただ漫然とかけるだけでなく、すき間はノズルを突っ込むように。またシートの下など目線を下げてかけていく

車内清掃お悩み解消STEP② シートの汚れを最大限取り除きたい!

夏ともなればエアコンをかけていても、シートに当たる背中やお尻、ももの部分は蒸れてときには汗がビッショリということもある。出た汗はシートへと染みていくことになる……。さらにお菓子や食べ物、コーヒーなどをこぼしても同様で、洋服のシミも大変なことからもわかるように、一旦染み込んだ汚れを取り除くのは至難の業だ。

今まではどうやってクリーニングしていたかというと、まさに洋服のシミ抜きと同じように濡らしてトントンと叩き出していた。技的には正解で取れることは取れるものの、広範囲だったり、深く染み込んだものは取り除きにくく、結局放置ということになっていたりした。

そこで最新アイテムの登場だ。画期的として話題になっているのがリンサークリーナーやカーペットクリーナーと呼ばれるアイテム。簡単に仕組みを説明すると、水やお湯を噴射して、染み込んだ汚れを浮かし、その後に浮いた汚れごと吸い取ることができるのが特徴だ。
ただの水ではなくて、重曹水やアルカリ電解水など、クリーナー効果があるものでも使えて、その場合は当然、クリーニング能力は高くなる。

実際に使ってみると、掃除機をかけているのと同じ感じで、ただシートの表面をなぞるようにかけていくだけ。電源はコンセントから取るので少々取り回しは悪いが、その分作業自体は簡単なので、とくに問題になるほどはない。

それよりも茶色い水がどんどんと溜め込まれていくほうが衝撃的で、今までの経験からするときれいに見えるシートでも茶色い水が出てくることがほとんどだ。
  • リンサークリーナーは車内清掃でも役立つ

    リンサークリーナーはコンパクトで持ち運びは楽にできる。価格もそれほど高くはないので、一家にひとつあるとなにかと便利だ

  • 家庭用のカーペットクリーナーで車内清掃もできる

    シートのほかに、カーペットなどにも使用可能だ。ただし内張りは内部の糊が溶けて表皮が剥がれる可能性があるので使うなら慎重に

  • リンサークリーナーで浮き出た汚れ

    運転席だけざっとかけただけでこの汚さ。これが常に体に触れていると思うとどうだろうか?

車内清掃お悩み解消STEP③ シートもコーティング!? もう汚れは染み込ませない!

きれいにしたからにはそれ維持したいと思うのは当然のこと。しかしシートやカーペットの場合、素材は布なので汚れを染み込ませないようにするのは難しい気がする。そこで注目なのがシート用のコーティングだ。

なんでもコーティングの時代とはいえ、シートもコーティングできるとは画期的で、使用方法はとても簡単。ボディにかけるのと同じで、塗ったら乾かしておしまい。これで汚れの再付着を防いでくれる。

  • クルマのシートもコーティング

    撥水シートにはならないが、表面より奥に染み込むのは防いでくれる。実際に使った感じとしては汚れの付着も確実に減った

車内清掃お悩み解消STEP④ ガラスの内側も内装の一部として対策

前回ガラスクリーニングを紹介したが、あくまでも外側の表側をいかにきれいにするかだった。今回は車内なので、内側のクリーニングについて考えみよう。つまりガラスの内側は車内の一部というわけだ。

その理由としては汚れの質が外側とは異なるからで、主にエアコンから吹き出てくる汚れやタバコの煙がメインで、それゆえかすみがかかったように白くなってくる。

インパネの奥などは手が届きにくいことから拭き漏れが出やすく、なかなかうまくいかなかったりする。もちろん汚れの質として、意外に完全除去が難しいということもある。今までは外と同じようにガラスクリーナーを使って、手を無理やり伸ばして拭いていたが、最近はこちらもアイテム使いで解消。

最近は内側専用のアイテムがいくつか出ていて、「無理な体勢おさらば」的なウリ文句も書かれていたりする。もちろんやり直し防止とすべく、ムラの発生も最大限に防止していたりするので、試してみる価値はあるだろう。

  • グローブタイプのマイクロファイバークロス

    手で直接拭ければ奥まできれいにできるということで、グローブタイプのマイクロファイバークロスも登場。家庭でも同様のものがあり、最近のヒットアイテム

  • クルマの内側専用のガラスクリーナー

    最近のケミカルは目的や効果の細分化が進んでいる。内側専用のガラスクリーナーも登場している

車内清掃お悩み解消STEP⑤ まだある、かゆいところに手が届くアイテムたち

ここまでは布部分を中心に見てきたが、車内には樹脂も多く使われているし、シボ(シワ)になっていたり、スイッチのようにデコボコしていたりと、形状はさまざま。またステアリングは手アカも付いていてテカテカしていたりするので、こちらもなんとかしたい。

まず樹脂部分で強力に威力を発揮するのが、マイクロファイバークロス。以前は高機能な化学タオル的な存在だったが、最近は100円均一でも売られているほど。しかもソフトなものが増えていて、デリケートな樹脂、たとえばピアノブラックやナビ画面でもあまり気を使うことなく、拭くことができるのはありがたい。

また細かい部分に入り込んだホコリというのもやっかいなもの。こちらは静電気で吸着するブラシが昔からあるが、最近はジェルクリーナーが注目で、スイッチやエアコンの吹き出し口のような凹凸の激しい部分に押し付けるだけ。PCによく使うエアダスターと併用すると完璧だ。

以上、紹介したアイテムは家庭でも使えるものが多くて、ひとつあると重宝するし、家族の目も冷たくなくなるハズ。ぜひお試しあれ。

  • ジェルクリーナーだとホコリ除去も簡単

    ジェルクリーナーは最近の流行アイテム。細かいところに入り込んだホコリをくっつけて取り除いてくれるという大胆な使い方だ

(文、写真:近藤暁史)

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