懐かしの名車から思い思いのカスタマイズまで勢揃い「ハチマルミーティング」でBack to ‘80s気分!

コロナ禍という世界規模の感染症流行により、日本全国でも自粛ムードが高まりをみせた2020年。特にイベントトップシーズンとなる春には緊急事態宣言が発令されたこともあり、多くのカーショーやミーティングが中止となってしまいました。
クルマ好きにとっては仲間と集まれる貴重な時間として楽しみにしている人も多くいたはずで、残念に感じた人も多かったことでしょう。

そんな緊急事態宣言が解消され、感染対策を行いながらようやくさまざまなイベントが動き始めた中で、11月3日に富士スピードウェイで開催されたのが『ハチマルミーティング』。

日本のクルマ文化を象徴する名車・珍車が300台以上集結!!

クルマ雑誌を中心に出版する芸文社が主催している『ハチマルミーティング』は、80年代から90年代にかけて生産された、ネオクラシックカー好きが集まるオーナーズミーティング。
いわゆるカスタマイズを競うカーショーではなく、さらにコンディションを自慢するクラシックカーショーでもないオーナーズミーティングは、車種はもちろんオーナーの意識もそれぞれ。
ピカピカに磨き込まれた車体自慢から、長年使い込んでヤレた状態をアピールする人など、十人十色のクルマ趣味をそれぞれのスタンスで楽しめる気軽さが特徴です。

雑誌媒体のコンセプトにもあるように、エントリーするのは80年代から90年代のモデルのみ!!
ちなみに80年代といえば日本車が独自性を打ち立てながら急成長を遂げた時代。そのため現在のクルマとは違った個性的なデザインや当時流の革新技術などへのコアなファンが存在しています。
まさに“日本のクルマ文化を凝縮した”ともいえる時代の名車から迷車まで、会場に詰めかけるファンの目を楽しませてくれるイベントなのです。

さらに90年代は現在にもつながる自動車技術の屋台骨を築き揚げた世代。今も現役といえる多くの名車を生み出し、クルマ趣味の土台となる多くのモデルが輩出されています。そのためエントリーするモデルも、フルオリジナルからカスタマイズまでバリエーション豊富!
中には劇中車や覆面パトカーのレプリカ、道路公団や消防指揮車の払い下げなど働くクルマも並べられ、よりディープなクルマ趣味を垣間見ることができます。
単純にネオクラシック好きだけでなく、様々な自動車趣味人が気軽に集まっているのは、世界観を作り上げている雑誌主催のミーティングだからこそのメリットと言えるのではないでしょうか。

絶対数は多くないものの、国産車だけでなく80年代から90年代に発売された輸入車もエントリー対象。懐かしのBMW E30やゴルフ2、M.ベンツ190などドイツ車はもちろん、プジョーやリンカーンといった各国のモデルも並べられる。
また日本未発売のイギリス仕様E111カローラ5ドアなど、普段見ることのない超レアな車体にお目にかかれることも、いい意味で変態オーナーが多いハチマルミーティングの魅力。
もちろん人気の北米モデルなどはレクサスなど様々な車種が並べられ見応えも十分。当時を懐かしむだけではなく、今まで知らなかった輸出仕様車の知識が得られるのも楽しみ方なのだ。

ガレージセールや参加型企画などを満喫!

このイベントの楽しみは買い物にもあり! 専門ショップのブースはカタログなどの資料を並べていたり、レストアやカスタマイズパーツを紹介していたりと、愛車に長く乗るためのノウハウも提供してくれるんです。また、参加者の中には愛車の荷台でガレージセールを開く人もいて、意外な掘り出しモノを手に入れることも!?

ただ集まって時間を過ごすだけでなく、参加して楽しめるコンテンツも盛り沢山。今年は恒例の集合写真撮影などはキャンセルとなってしまいましたが、その場でエントリーして盛り上がれるゲームなども開催されています。
エンジンをかけずに人力で愛車を押す競技「プッシュドラッグ」などは、勝ち負けにこだわるのではないため、重量級のセダンから超軽量なシトロエン2CVなどエントリーも様々。ギャラリーを楽しませるパフォーマンスに徹する参加者もいて、久しぶりのイベントを心から楽しんでいる姿が印象的でした。

マニアックな2台が雑誌アワードを受賞

イベントの締めは来場者の人気投票によるアワードの進呈。さらに主宰する「ハチマルヒーロー」からのアワードや、姉妹誌の「ノスタルジックスピード」からのアワード進呈も行われます。
ちなみにハチマルヒーローアワードは、当時の姿をそのまま残しなおかつ当時発売されていたオモチャなども収集しているシティターボのオーナーさん。人気だったターボ2ではなく、初代ターボのトランクには新車級のモトコンポを搭載するシティへの偏愛が、授賞の決め手なのだとか。
またノスタルジックスピードアワードは、当時パーツを組み合わせながら現代流のアレンジが効いたZ32。メタルトップの2シーター、ツインターボのパッケージはレア度が高く、さらにクリーンな仕上げが編集長の心に響いたということでした。

まだまだコロナウイルス完全収束の目処は立っていませんが、だからといってクルマ趣味を楽しむことは諦めたくないというひとも多いはず!!
そのためにはマスクや手洗い、さらに3蜜にならないなど感染予防の徹底は必須。参加者も自発的な予防対策を行って、安心して参加できるイベントをみんなで作って楽しんでいきたいですね。

このハチマルミーティングで、個性豊かな4人のオーナーとその愛車を取材してきましたので、こうご期待!

(文: 渡辺大輔 / 撮影: 平野 陽)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road