トヨタGR86には魅力が詰まってる! 注目すべきポイントを紹介

自動車ライター伊藤 梓は、自分の「マツダ・ロードスター」でレースに出るほどのスポーツカー好き。そんな彼女が絶賛する、「トヨタGR86」の長所とは?

自動車メディアの世界に長く身を置いていると、「◯◯の新型が登場!」と聞いて、素直に心が躍るということが少なくなってくる。どんなクルマでも「運転できる」というだけでワクワクしていたころが懐かしい……。

と、感傷に浸るのはここまで。新型「86/BRZ」が登場して、筆者は久しぶりにわくわくした気持ちを取り戻すことができた。これまで『頭文字D』などに親しんできたわけでもないのに、「ハチロク」と聞いただけで胸がときめくのだ。

日本が誇るスポーツカー、86は、2021年10月にフルモデルチェンジされた。先代と同様、スバルとの共同開発で、生産はスバル側で行われる。兄弟車となるBRZは同年7月末に正式発表されたが、新型86ことGR86はそこからさらに3カ月遅れでの発売となった。「最後の最後まで性能を追求した結果、発売時期を遅らせた」といううわさを聞いて、さらにGR86への期待は高まった。

そんなGR86を初めて目にして、まず「きれいなスポーツカーだな」という印象を受けた。先代は仕様変更のたびに「かみつかれちゃうんじゃないか?」と思うほど見た目がやんちゃになってきて、女性の私は「自分で所有するには、少しデザインが強すぎるかな」と感じていた。それとは対照的に、新型はシンプルなラインでまとめられたカタチが好印象だ。スポーツカーといえば、ビビッドな色が似合うイメージがあるが、今回用意されたシルバーのボディーカラーも思いのほかなじんでいて、素直に「かっこいい」と思った。

今回の試乗車のグレードは「SZ」。上級グレード「RZ」と比較すると、インテリアなどが簡素化されていることに加えて、タイヤは17インチと、1インチ小さくなっている。筆者は、「スポーツモデルを楽しみ尽くすには、純正で用意されているタイヤのなかでも一番小さいものがいい」と思っている人間なので、下位グレードのSZに乗ることができてうれしい限り。思わず“その気”になってしまう走行性能については、後半でより詳しく紹介したいと思う。

(文:自動車ライター・伊藤 梓)

[GAZOO編集部]

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