夜行列車と缶ビール
たまには、マジメに。
こんなこと考えてみました。
受験で関東の大学を受けた時のこと。
前日に現地入りして、試験を終え、その帰りの道中。
乗り継ぎの関係で、夜行列車に乗ることに。
もちろん、初めての経験。寝台車だ。
一緒に受験した友達と、二人で乗り込む。
第一志望の試験を終えた解放感。
まわりの目線を気にしながら、自販機で缶ビールを買ってみる。
見つからないように車内に持ち込み、
そっと缶を開け、飲み始める。
振動でこぼれるんじゃないか?
車掌さんが急に来たらどうしよう?
ビールの味なんてよく分らん上に、
そんなこと考えてたらうまく感じるはずはない。
とりあえず、『オトナな自分』を感じてみたかっただけだ。
なんとか飲み干し、横になる。
うとうとし始めた頃に、親の待つ駅に到着。
深夜…というか、そろそろ明け方に近かったろうか。
その3ヶ月後。
大学のスキー部の合宿での移動も、夜行列車だった。
今度は寝台じゃない。自由席。
大量の荷物を積み込むのは1回生の仕事だ。
一仕事終えても、座る座席はない。
そのころには、ほとんど空席はなく、
気の早い先輩たちはすでに酒盛りを始めている。
そこに合流するのは、自殺行為に近い。
仕方なく連結部分に座り込み、到着までの5時間ほどをやり過ごす。
寝不足で突入する合宿は、肉体的にも精神的にもハードだった。
聞くところによると、時代の流れというやつで、
寝台列車が姿を消しつつあるらしい。夜行列車も、然り。
何事も、時間が短くてすむようになるのはいいことだと思う。
新幹線とか、飛行機とか、高速道路とか。
だけど、時間がかかってしまう、一見“ムダ”なことに、
けっこうな価値が潜んでいたりするのも事実。
“時間”を“お金”に置き換え、合理化を図る。
そのこと自体は否定しないけど、
“時間”以上に大切な価値もあるはず。
以前から、近所の国道がどんどん立派になっていくことに違和感を感じていた。
便利であれば、それでいいのか?