退職記念のふたり旅
退職の労いの旅・・・・・・・・そんなお客様がいらっしゃった。
3人の娘を嫁がせて、自分の仕事を70歳で一旦完了した、
そんな「ご苦労様」というねぎらいの旅なのだそうだ。

2日間のお泊りの間、何度かお話しする機会があった。

「今回の旅は、3人の娘からのプレゼントなんですよ。」
・・・と、お父さんは、とても嬉しそうだった。

なんか・・いいなぁ、素敵な娘さんたち。
きっと、ご両親に2泊の旅を・・と、3人の娘さんが代金を負担したのかな・・と、思った。

いやいや、このねぎらいの旅は、本当に素敵な思いやりの集大成の旅だった。

娘さんのお一人は、
ご両親と同居の90歳をすぎたおばあちゃんのお世話をかってでた。
ご両親が旅に出ている間、おばあちゃんも楽しめるように、と
近くの温泉まで一緒に旅をしている、と。
そして、別の娘さんは、
70歳を迎えたご両親が疲れないように、
自分がこの旅行のドライバー兼旅行添乗員を引き受け、
ご両親にはうちのスイート2泊、自分は別の宿で2泊。
さらには、もうひとりの娘さんが、
この旅行のための資金を負担してくれた、と。
両親が気持ちよく旅に出られるように、
すべての面で皆で考えサポートするプレゼント。
娘さんたちから、この申し出があったとき、
お父さんは、あまりの嬉しさに「泣いた」と。
お母さんは、素敵に育った3人を喜び、
娘たちをしっかりとしつけてくれたおばあちゃんに感謝し、
がんばって働いてくれたお父さんに感謝して、
それぞれの娘さんの旦那さんに感謝し・・・と、なにもかもが嬉しい、と。
旅の間も、ずっと嬉しすぎて、うれし涙を流しっぱなし!
それぞれが、自分ができることを最大限に提供して、
すべての人が、嬉しくて楽しくて幸せになる旅を創りあげている、
3人の娘さんの創造力のタマモノ!・・そんな感じ。
そして、偶然にも、それを知ってしまった客室係も私も、
とっても幸せな気分になった。
ああ、幸せが連鎖する・・って、こういうことね。
あまりに素敵なお話だったので、
ご夫婦に、記事にしていいか・・と、聞いてしまった女将でありました。
「旅のお手伝い」が私たちの仕事。
そのために、毎日掃除をし・・・

茶碗を洗い・・・

料理を作り・・・

風呂の掃除をする。

大切なご両親へのプレゼントに、
永芳閣を選んでくれて、ありがとう。
窓からののんびりした景色は、二人だけのじんわりうれしい時間。

どうぞ、この幸せが、あっちこっちにも連鎖しますように。
氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣の女将/平田淑江でした。