片品・きらっしゃい!

「きらっしゃいー」は「お越しください」というもてなしの言葉。


予約の野菜が届きました。

2008年7月28日

海を渡った大根!(1)

片品発野菜のファンタジーな物語です・・・・・・・

『海をわたった大根』

 

 

 

 

真夜中の道を通るとき、不思議な体験をしたことはないだろうか?

 

誰もいない寝静まった畑から、

 

ざわざわとどこからともなく聞こえてくる音・・・・

 

実はそれは野菜たちにしかわからない話し声なのだ。

 

 日もとっくに落ちて、あたりが十分寝静まりかえった頃、

 

幾何学的に輝く星空の下で、

 

キャベツの次郎が大根の健太に話しかけた。

 

 「おい、お前は海というものを知っているか?」

 

 すると、健太が待っていたとばかりに、

 

 「ああ、知っているよ。俺がまだ、双葉だった頃、

 

隣の養魚所のマスが話してくれたよ。話によると海ってのは、

 

遠くて、広くて、ここなんか問題にならないくらい大きいらしい。

 

そこにはマスたちの仲間がたくさん住んでいて、広い海を

 

わがもの顔で泳いでいるッって言う。

 

海の中は晴れたり曇ったりの心配も、

 

 霜の心配もする必要がない。

 

いつでも暖かくて、住み心地は抜群だって言う。

 

コナガも線虫も根っきり虫の心配も要らない。

 

どんなにいいとこだろう。まるで天国だ!」

 

 話が終わらないうちにキャベツの太郎が

 

 「その海へ行ってみてえと思わねえか、健太。

 

 俺たちこのまま、ここで生きてりゃー、箱につめられて市場ゆきだ。

 

そしたら、人間に食われて死ぬまで

 

ずっと暗い、狭い冷蔵庫の中での暮らしだ。いいことなんか何一つねー。」

 

 

 次郎は怒りと悲しみで赤みを帯び、頭から湯気を出しながら

 

しゃべっていた。

 

 「でも、僕たちはそういう運命を背負って生まれてきたんだ。

 

 その生まれに感謝し、自分の運命を全うしてこそ、僕たちが生きた意味があるんじゃないか。」

 

 レタスの順夫が次郎を制するようにつぶやいた。

 

 次郎は順夫を睨みつけた。負けずに、順夫も次郎を睨みかえし、

 

今にも喧嘩が始まりそうな気配だ。

 

次回へ続く・・・・・・・・


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2008年7月28日 19:21

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