片品・きらっしゃい!

「きらっしゃいー」は「お越しください」というもてなしの言葉。


海を渡った大根!(1)

2008年7月30日

海を渡った大根(2)

キツネのコンタは、秋に再開します。夏なので、高原野菜の物語!

『海を渡った大根』(2)

 

 

 

 

 「考え方は2つ。

 

枠の中で生きることを人生の目的とするか、

 

目的のために移動しながら生きることを人生の目的とするか、

 

それを選択するのは自分自身だってことさ。

 

しかし、世の中は広い。築地、菅沼の原だけが世界じゃない。

 

世界には街もある、山もある、そして、俺たちが憧れる海もある。」

 

 次郎も順夫も健太のこの言葉を聴いて、うつむいてしまった。

 

 しばらく沈黙が続いてから健太が口を開いた。

 

 「海ってのは空よりも青いっていう。終わりが見えないって言う。」

 

 「どんなに遠いんだろう。」

 

 今度は次郎が言った。

 

 「市場に行くより全然遠いさ。」

 

 と健太。

 

 「そうだろうな。」

 

 「どうすればいけるんだろう。」

 

 と順夫。

 

 「市場へ行くトラックがあるんだ。きっと海へ行くトラックだってあるさ。そいつに乗ってゆけばきっと海にいける。広い、青い海へ。」

 

 「そのトラックはどこへいけば乗れるんだろう。」

 

 「それは市場にある。」

 

 「市場に?」

 

 次郎も順夫も今の健太の意外な言葉に驚いて、目を真ん丸くした。

 

 「そう、市場。市場には日本中の野菜や魚たちが集まってくる。

 

キャベツ、白菜、大根、レタス、ブロッコリー、ほうれん草、ジャガイモ、インゲン、

 

とうもろこし、それに,サンマ、サケ、マグロ、アジ。

 

俺たち野菜は山から、あいつら魚は皆遠い海から来るんだ。」

 

 「それじゃー、そいつらを乗せてきたトラックに乗っていけば、海にいけるってこった。」

 

 頭のいい順夫がなるほどといわんばかりにしゃべり始めた。

 

 「よし、それじゃー、早く市場まで行って、そのトラックを見つけて乗り込もうぜ。」

 

 「ようし、、そうしよう。」

 

 彼らがあれこれ話し合っている間に、時間は午前2時半をまわった。

 

 3時になれば、農家の人達が彼らを取りに来る、。

 

 彼らは誰よりも早く成長して、誰よりも早く市場に行くために、

 

一生懸命、地面の中の栄養分を吸収した。

 

 彼らは見る見るうちに、ひとまわり、ふたまわりと大きくなっていった。

 

彼らがもうこれ以上は栄養が取れないくらいに大きくなった頃、

 

遠くの方からトラックのディーゼル音が聞こえた。

 

農家の人が野菜を取りに来たのだ。

 

 彼らは果たして、市場にいけるんでしょうか?

 

・・・・・次回へ続く・・・・・

 

 


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2008年7月30日 20:49

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