昔話
冬になると、お茶をいただく機会が増えます。
用があって伺うと、お茶に誘ってくださいます。80歳前後のおじいさん(とても元気でおじいさんという自覚はなさそうな方ですが)おばあさんが昔の黒森の農業の話を語ってくれました。(会話形式でお伝えします)

私:いつ頃までお米を作ってたんですか?
おじいさん:6〜7年前かね。
機械を頼んだのは2〜3年で、その前はずっと手でやってたよ。
一番米を作ってたときは、6反もやってただから、お田植えつうと、えらかっただよ。
おばあさん:学校も「農休み」つーのがあって、子どもも手伝っただよね。
おじいさん:そう、昔は子どもも働いたんだよな。おらとは、よく働いたな。
多いときは、5〜6人でね。隣近所で手伝い合ってやっただ。
おばあさん:今みたいに、金肥なんてもんはなかったから、山から柴(ナラなどの雑木の葉のついた枝)を取って、それを他の全面に敷き詰めて、足で踏み込んで埋めていくだよ。
おじいさん:それを裸足でやるから、足に刺さって痛いだ。
学校へ行くだってわらじだから、3日もはけば壊れちまって、途中で壊れりゃ裸足で歩いたもんだ。毎日、神戸(黒森から10kmくらい)まで歩いただよ。
そのかわし、昔は車が通らんから、良かった。
おばあさん:昔は、百観(黒森から20kmくらい)まで、歩いただもんね。
おじいさん:車がそこから先には、入ってこれなかったからな。
それが、八巻まで来て、比志まで来て、ここまで開けたっつーこんだ。
おばあさん:あの頃は、病院へ行くっていったら、四角い板に病人をのせて、かついで行っただよね。
おばあさん:あの区有林が、全部採草地だったんだから。
おじいさん:みんな馬を飼ってたから、9月になると、毎日草を刈って、冬中馬が食える草を集めて、馬にたくさんつけておろす。
おばあさん:昔は、ガスなんてもんがないだから、12月にもなれば、冬中に使う薪をたくさん集めて、家の前は薪だらけだったよね。
おじいさん:まあそうやって山にしょっちゅう人が入ってたから、動物たちも警戒して出てこなかったんだよな。
まったく今の人には、考えられんだろうな。夢見たいな、話だよ。
本当に楽になった。
私:昔と今とどっちがいいですか?今のほうがいいですよね。
おじいさん:そりゃそうど。
そこの川にも、魚がたくさんいた。
尺もののヤマメが良く釣っただ。
ヤマメしか釣らなかった。今いるのは、偽ヤマメ、あれは、アマゴだ(放流している)。
おらとは、魚釣りが好きだったから、どこに釣り糸をたらせば、獲れるか、魚のいる場所が全部わかってた。
あの頃は、良かったな・・・。