多様性という豊かさへ
*牛乳の故郷那須*から、「生物多様性基本法の意義と今後の影響」という講義を聞きに行ってきました。

「生物多様性基本法」って耳慣れない法律ですが、これが、2008,5,28に、議員立法により制定されたそうです。
この法律の目的は、
「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、豊かな生物多様性を保全し、その恵沢を将来にわたって享受できる自然と共生する社会を実現し、地球環境の保全に寄与すること」
と、政府に生物多様性国家戦略の策定を義務付け、国土や自然資源を「生物多様性に及ぼす影響が回避され、最小となる」方法で利用することを基本原則に揚げており、これからのまちづくりや公共事業に大きな影響を与えると考えられます。
難しい言葉でなく言うと、これは、今まで、人間中心、それも、現時点での経済中心に行われてきたことを、そこから出てきたいろいろな反省から、地球的に未来を考えたとき、もっと生物全体を基礎としたうえでの人間の生業を大切にしていく社会にしていこうという観点からできた法律です。
(循環型社会+自然共生社会+低炭素社会)からなる持続可能な社会を作っていこうというものです。

たとえば、農業で言うならば、
@ 生産性のみが大きな要素であったところが、さらに、
A その地域の生物の多様性を含んだ豊かな環境による恵みとしての生産物であること、また、
B その地、またその国の人々にとって大切な自然資源としての景観を作り出していく農業であることというふうに
多面的に農業をとらえて、それが、安心で安全な生産物を生み出し、人々にとって心安らぐ空間を作り出すという価値をも加えていくことが大切と考えられていこうとするものでしょう。
今、食糧危機ということがいろいろな地で起こり始めています。このときにこそ、しっかりした国としての食の基盤を作っていくことが求められているのだと思います。

この法律は、もとはといえば、1992年の国連地球サミットにおける「生物多様性に関する条約」からによるもので、日本は翌年締結したものの、その後ほとんど進展がなかったものだそうです。
今回の講義の特徴は、この法律の成立した背景、目指すこと、社会に与える影響について、行政(環境庁担当役人)、政治(立案した国会議員)、市民が、それぞれの立場からの意見が聞けたことでした。
有識者?が考え、政府が決定し、行政が行い、市民は理解して従いなさいというどこかの国で、今まで多く行われてきた方法とちょっと違うなという空気を感じてきました。
わが農場でも、より遠くを見据えたやり方をという気持ちです。