第4期グリーンツーリズム実践大学4月講座−菊屋奈良義講演「忘れていませんか 自然から学ぶこと」A

2008年8月15日

第4期グリーンツーリズム実践大学4月講座−菊屋奈良義講演「忘れていませんか 自然から学ぶこと」B

1つ紹介したいのが、大分県の宇目から流れている川で、北川ダムがあります。北川ダムの第2の流れに、非常に面白い堤防が見えます。ある程度中段の堤防があって、その上に高い堤防があります。1メートルと3メートルの堤防です。3メートルの方は、途中で切れています。川に向かった側が堤防の外側です。内に向かった側が内側です。先ほどの堤防は霞堤といいます。霞堤の尻切れトンボの部分から水が流れます。水の水位が上がってくると、上の方に流れてきます。これで勢いがそがれます。水位が下がってくると、段々減ってきます。ジワジワいくから、植物が水をかぶりません。余程ひどい時に土を少しかぶるぐらいです。1991年の時の大洪水で、国土交通省が450億円かけてくれました。しかしその時は霞堤を残せと言いました。きちんと理解できる技術者がいたので、全部か霞堤が残りました。
日本では自然との関わりには徹底したものがありました。それに世界中の科学者が注目しています。江戸時代中期の農民の暮らし、“株じまい”や霞堤、鋤が今の形になってきた頃、という江戸自体中期の日本の暮らしが自然とマッチしていることに、世界中の研究者が着目してきています。色んな研究者が日本の農民の暮らしを研究し始めています。
日本の政府が日本の農業をダメにする方向に農業指導してきたのは何故なのでしょう。例えば終戦直後です。その頃我々の台所は真っ暗でした。“はんど”に水を貯めていました。毎日水を替えて、“はんど”を洗っていました。それは水をおいしく飲むこつです。湧き水は貯められるのはせめて2日分だけで、次々汲むことでおいしく飲めます。去年厚生労働省では湧き水対策委員会を作りました。これは、水を汲み人達が10日分、20日分まとめて飲むためです。
 自然と上手につきあってきた歴史というものを、ここで皆が自分の直接の体験として体験してもらえないでしょうか。それがグリーンツーリズムにちょっとでも関わりのある人間としての私の願いです。全て手と目と耳と鼻と舌で覚えてください。見ようと思う所には足を惜しまないでください。カメラも今携帯でも撮れます。できるだけ近づいて撮ってください。そうすると五体全部を使います。
酢と塩のバランスがいい時を、「あんばいがいい」と言います。全てこれは農家から出てきた言葉です。そのことを国語学者は我々に教えてくれませんでした。しかし古語を調べると分かります。“株じまい”もそうです。今お神楽が流行っています。お神楽でシャランシャランとやるあの鈴の意味は「神様ここにござってください」という、神様に対する呼びかけです。それを聞いて神様はその辺の木に座り、「この人は本当に自分を呼んでいるのだろうか」と様子を見ます。この木を「招魂(おがたま)」といいます。これは必ず神社にあります。その招魂の木の実が鈴にそっくりです。鈴はその招魂の木の実を参考にしています。イチイ樫も、麻も、招魂も、全て赤道を中心に生育している植物です。神様関係の木は屋根を葺く檜以外は北から来たものはありません。行事に使うものはそう変わりません。そこからも文化の継承が分かります。


2008年8月15日 13:52

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