第4期グリーンツーリズム実践大学4月講座−菊屋奈良義講演「忘れていませんか 自然から学ぶこと」C

2008年8月15日

第4期グリーンツーリズム実践大学4月講座−菊屋奈良義講演「忘れていませんか 自然から学ぶこと」D

こうしたことは、農村の中で美しさとは何なのか、穏やかさとは何なのか、というのを知った人が何とかしていかないといけません。「これでもか、これでもか」という刺激を繰り返していくのが都会の刺激です。今年はソメイヨシノの開花の時期が長いです。しかし、これでもか、これでもか、と、桜だけが咲いているのが美しいのでしょうか。仙の岩のあたりの三種類の桜、緑、菜の花が混ざっている、緑と混じりあった色彩に富んだのが我々関西人のような人にとっての美しい、という感覚です。白神山地に登ると全部見えます。我々九州からの人間は5分か、という感じです。東北の人は黄色なら黄色一色、茶色なら茶色一色を美しいと感じます。ちょっと低い位置です。
仙の岩の低い方にあるのは荒樫です。樫の森が育ったその少し上に椎が生えます。こうしたのが安心院の特徴です。榊、黒榊、そこに荒樫が混ざり、それを過ぎると椎、その上に一位樫があります。こうした作り方が元々のこの地域の森の作り方です。そうなるとその森の中で暮らす虫、それをたべる鳥も決まってきます。それが地域性です。ここでしっかり意識してほしいのが、「地域性」です。「俺のかたに来てみろ」というのが地域性です。ここで生まれ、ここで死んでいった人が残した自然、残してきたものが地域性です。そのことを忘れてはいけません。
県の人達が、山奥ある小さな堤に着目しました。70年経っても誰もあたっていませんが、地域を守ってきて、大雨が降っても何ともありませんでした。それを工事することになりました。そのために工事用の道路を1500メートル作りました。動物も通る、人も通れる道を壊して必要のない道路を作りました。もっと短い道路を作ることもできたのにです。それは予算があったので、それを使わないといけないという事情のためでした。それを見て言葉にする県民性を持っていてほしいです。それを言っていくのが地域を守るということです。「何故そんな工事がいるのか」ということを言っていくのが地域性を守っていくことです。
それから、大きな店が出てくると地域の小さな店がつぶれます。そういう時に、我々の持つ目−必然性、緊急性、妥当性−が必要になります。地域に色んなものが持ちこまれる時に、この3つの目をもって見つめることが必要です。その最たるものが大分県農業文化公園です。この公園を作る時に設計図も出して木を切らないようにしたのですが、担当者が勝手に切ってしまいました。世界で一番小さな赤とんぼ、「ハッチョウトンボ」というのですが、その生息地も600台の駐車場を作るためにその生息地も侵されました。それで、担当者と話してその生息地はブルドーザーで土をすくって他の場所に移転しましたので、今も農業文化公園にいます。知事が挨拶の時に公園の名前を間違って呼んだら、それに合わせて慌てて職員が看板を書き換えたりと、権力者に迎合する傾向があります。


2008年8月15日 13:53

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