第4期グリーンツーリズム実践大学4月講座−菊屋奈良義講演「忘れていませんか 自然から学ぶこと」E
鯉のぼりが性差別だというような、我々の文化を否定するようなことが入ってきます。畦ひきができる人はほとんどいません。畦ひきは腰は疲れるし、技術もいります。それを若い人に教える機会がなくなりました。毎年安心院町グリーンツーリズム研究会やっている藁こずみ大会。創作の部は遊びです。正調の部の藁こずみには色んなタイプがあります。審査の対象になっていないのは締り具合です。叩いてみてちゃんとなっているか、昔は年寄りに確かめられて作り直させられたりもしていました。今、藁が台風の時に倒れないように藁の背丈が低くなりました。そうすると藁で畳が作れなくなり、台湾から藁を輸入しています。すると台湾のダニがついてきます。むかしは稲が背が高く、稲の倒れ具合で台風の風が見えました。これも気象条件が分かる遊びです。
今、ベタ一面にコスモスでもチューリップでも植えます。佐伯の弥生町の人が呼びかけてコスモスを植えました。降水時期にコスモスを植えたらバーっとできましたが、次とその次の年も洪水で流されました。堤防の上に植えれば流されなかったのですが。ベタ一面の眺めが必要なのでしょうか。これは都会的な色彩感覚です。それに合わせて一時の気まぐれで植えるのはやめた方がいいです。
例えばキスミレという菫が由布山の麓にあります。これを持って帰っても育ちません。宇佐の桜草も同じです。余程上手にしないといけません。根をきれいに洗って、「今から引越しだよ」と教えてやると、植物も気合を入れて新しい土に慣れようと頑張ります。キスミレも桜草もそこに行けばあるのに、独占欲で持って帰ろうとします。かと思えば、ブラジルの露草のような花があります。これは、日本の露草とは全く違います。ツルニチニチソウと言って、紫色の綺麗な濃い花をつけます。これはヨーロッパの花ですが、ガーデニングで育て始めました。色んな花を育てています。できるだけ散らさないでほしいです。トキワツユクサというブラジルの露草が、ほとんど人間の行かない海岸にベタ一面に生えています。これは鳥が運ぶためです。植生の撹乱です。外国から入ってきた植物は、ビャーッと広がり、パタッと死にます。そこで死んで、広がって、また広がっていきます。これが地域性を失わせます。ガーデニングは自分の家だけで楽しむように注意しないといけません。そうでないと地域性を壊す結果になります。
東京都で雀蜂が増えました。これはガーデニングをしたからです。ガーデニングをすれば蜜蜂が増えますし、蜜蜂を食べに雀蜂が増えます。何かを新しく導入する時にはよく考えなければ、日本全国の緑を乱す結果を呼びます。
この5,6年で往生したのが、富士山の頂上に世界中の高山植物を集める計画があったことです。その教祖様に何度も頭を下げて、何とかとりやめてもらいました。そのことによってどんな結果がでるか、よく考える必要があります。その原点は農業です。農業の原点は人間の命を支えることです。我々の命を支えるのが農業です。今育っている子ども達にどういう未来を残すことができるか、それが農業を通して見えてきます。それがグリーンツーリズムの最大の魅力です。将来の子ども達の生存環境のためにはどんな環境を残せばいいか、そのヒントは安心院でもらえるのではないでしょうか。それを考えて取り組んでもらうと、グリーンツーリズムの意義が高くなります。
取り留めのない話でしたが、全て裏づけのある話です。グリーンツーリズム実践大学でたくさんの話を学んで活かしていっていただきたいです。