第4期グリーンツーリズム実践大学7月講座−降幡廣信氏講演「日本人とその住まい」C

2008年8月16日

第4期グリーンツーリズム実践大学7月講座−降幡廣信氏講演「日本人とその住まい」D

そういう中で日本の家の特徴は風通しがいいということです。夏の暑さをしのぐために風通しをよくするのです。団扇や扇子を使うのも風を送るためです。その中で日本の特徴は引き戸です。引き戸というのは開けて風を送ります。ドアを開けておくととっても不便です。引き違いになるというのは、開けたままでも格好がつきます。引き戸は日本の特有の戸です。引き戸であるため日本は戸を開け放っておくこともできます。それから日本の特徴は清潔だということです。
靴履きの部屋と靴を履いた部屋、という風に比較するとと、とっても清潔です。世界で最も清潔な床は日本の住宅の床です。しかも、夏等は昔は道路が舗装されていないので埃がたちました。風の日等は廊下やなんかを雑巾で掃除して足の裏がキュッキュッと音が出るぐらいに清潔にされているものが、午後には埃がたち、夕方にはまた掃除をしていました。そのぐらい清潔です。それから玄関が関係しています。
もう1つ日本の部屋の特徴は、融通性、転用性です。どうしてそれができるかといえば、家具を必要としなかったためです。8畳間があるとすれば、客が来れば客用の布団を敷けば客用の部屋に変わります。朝になればサッと掃いて座卓を置けば食堂に変わります。非常に変わり目が早いです。ちょっとした物で雰囲気がサッと変わり、場面が変わります。場面に合った形態に伴います。そういう特徴があります。色々な使い方ができます。家具がなくて、だからちょっとしたものに使えます。襖を取りはらって座布団をたくさん並べれば、大勢の人が集まる場にもできます。
生活の上での最大の特徴として、“しつらい(設い)”ということがあります。本来はしつらい(設い)という字は違います((「室礼」「鋪設」「補理」)。平安時代から女性中心でした。この“しつらい”というのは平安時代から行われた家庭の行為です。2枚目の資料で、飛鳥、奈良というのがあって、上から2段目に平安があります。平安の段に公家住宅があり、寝殿造りを載せています。これは、寝殿造りというのはお公家さんの住宅です。お公家さんというのは政治に関係する人達です。中央の奥の所に生活するところがあり、その周囲に縁側というものが廻らされていました。そこは日常ほとんど使いませんでした。お公家さん達は政治に関係する人たちでしたが、それぞれの人の家で会議を開きました。普段何もない所なので、来るお客さんに合わせた“しつらい”、円座、座卓を並べるとか、部屋を仕切るための御簾、几帳を使う等して、接客のための空間を造りました。それは奥さんがする仕事でした。奥さんがお手伝いさんを使ってそういうそういう部屋を造りました。その“しつらい”によって、その家庭は出来た人だ、教養のある家庭だということが、ご主人の出世、縁談に関係しました。この時代から女性が“しつらい”において大きな役割を果たしました。ここの奥さんが教養があるかどうかをその家を見てチェックするような習慣は今でもあります。


2008年8月16日 17:09

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