第4期グリーンツーリズム実践大学7月講座−降幡廣信氏講演「日本人とその住まい」D

2008年8月16日

第4期グリーンツーリズム実践大学7月講座−降幡廣信氏講演「日本人とその住まい」E

外国では一回家具が入ると動かせません。食堂には食堂の家具があり、それが動くと食堂ではなくなります。彼らの洋風の家具は動かないものです。洋家具は大きくて、重くていいのです。日本の場合は“しつらい”は色んな場面を飾るものであるので、軽く、収納
しやすく、小さいです。色んな場面に誰でも使えるように、というものが家具・調度です。座布団もそうです。洋風の椅子なら積み上げておくことはできませんが、座布団は簡単に積み上げておくことができます。屏風、衝立、障子もそうです。普段はどこかに片付けておいて必要な時には配置してお客さんをもてなし、家族のために使います。その都度色んな“しつらい”をしながら生活をします。布団を敷いて夜休むのも、朝になると布団をしまって座卓を出して、今日はお客さんが来るからと何かを飾ったり、床の間に掛軸や花を飾ったりします。そういうことが日本の“しつらい”です。日本では普通に行っていますが、外国では行われていません。
日本のお部屋は春、夏、秋、冬、季節ごとに変化しています。お節句とかお祭りとか、そういう場合によっても部屋の“しつらい”が変化し、季節感を演出したり、年間の生活にメリハリをつけて生活をするのが日本の特徴です。外国ではあまりそういうメリハリは考えられていません。応接室でも肖像画、美術品が何年もそのままなのが西洋です。日本の掛軸は、季節、お客様によって変え、そのお客様に対して色んな心を表現しています。それが日本の生活の大きな特徴です。その中で日本の家具・調度は軽量で小型で収容向けです。日本には押入れがついていますが、海外にはありません。それは、“しつらい”をする物が必要だからです。諸々の物をしつらえるために必要なのです。床の間の天袋も、床の間に飾る花の花器、美術品、掛軸をなおし、しつらえるためのものです。外国にはああいうものはありません。日本の住宅にはつくりつけの家具というものがありました。外国では最近になってつくりつけ家具というものが出てきました。
日本文化の特徴、これは私は長野県信濃毎日新聞というのがありますが、その新聞で月に1回、外国人から見た日本の印象という記事があります。1ページにわたって掲載してあります。台湾の李登輝総統の記事が出ていました。それを見ると世界に稀な日本文化を捨てないでくださいと出ていました。李登輝さんは若い頃京都大学で2年程過ごしました。アメリカにも行きました。そして台湾の総統になり、台湾をどういう国にするかということで世界中の国を見渡し、検討したはずです。その李登輝さんが、日本の文化を世界に稀な文化としています。もし日本の文化がなくなれば世界の文化が平均化されたものになる、日本の文化があることで世界の文化が特徴のあるるものになっている、と言っています。


2008年8月16日 17:09

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