試乗記・17〜ホンダ インスパイア〜
アメリカンテイストとジャパニーズテイストの融合。
本日の2本目の記事は、ホンダインスパイアの簡単なインプレッションをお伝えしようと思います。

ホンダ インスパイア 35TL フロントビュー
★ 試乗グレード 35TL
★ このクルマの舞台はアメリカ
まずは、インスパイアというクルマについてご紹介します。
インスパイアは2007年12月にFMCされ、5代目に進化しました。
ボディサイズは、全長4940mm、全幅1845mm、全高1475mmでホイールベースは2800mmです。ホンダのフラッグシップカーである現行型レジェンドと比較すると、全幅及びホイールベースの寸法は共通していますが、全長は+10mm、全高が+30mmがそれぞれ長くなります。
このクルマに導入された技術として、一番の注目したいのは可変シリンダーシステム(VCM)で、先代インスパイアに引き続き採用されました。
先代インスパイアではエンジン負荷に(スロットルの踏み加減)に応じ、6気筒と片バンク休止状態(未燃焼状態)である3気筒の2ステージによる制御でしたが、今回から4気筒モードが追加され、両バンクの1気筒を休止し、このモードはV型4気筒というイメージを思い浮かべるとよいでしょう。6気筒モードは急加速時とアイドリング時、4気筒モードは緩やかな加速が必要な場合、そして3気筒モードはエンジンの負荷が少ないクルージング時としてそれぞれ使い分けるとの事です。
サスペンションは、フロントは従来通り、ダブルウイッシュボーン式ですが、リアはマルチリンク式ダブルウイッシュボーンというサスペンションが新たに採用されました。その他、VGR(可変ステアリングギアレシオ)、追突軽減ブレーキ&E・プリンテンショナー(運転席・助手席「35iLに標準装備」)などの装備が盛り込まれています。
因みにアメリカでは「アコード」として販売されているとの事です。
★ ナチュラルなテイストを引き出すVCM
インスパイアの運転席に座ってみると、広々とした室内空間、インパネのデザインは現代のホンダ車らしく、未来的な要素と日本人に受けやすいデザインに纏められています。アイドリングの音を外で聞いてみると、とても静かであると思えました。
今回は街中を中心に試乗しましたが、VCMという可変シリンダーシステムのチューニングが自然である事に気が付き、気筒切り替えのタイミングが全く感じなかった事が好印象です。エンジン音もホンダミュージックが潜めていて、エンジンノイズはこのセグメントに相応しいと感じました。このV型エンジンの使用燃料は、レギュラーガソリンが指定されており、今日の原油高の背景を考慮するととても嬉しい設定です。
乗り心地は、全般的に硬めにチューニングされており、荒い路面状態では敏感に反応するタイプですが、不快を感じるような部類ではないと思います。足回りのチューニングがレジェンドと似たような性格を持っているなと思い浮かべました。
★ 重めに設定されたVGR
このクルマに採用されたVGRのアシスト量は重めで、手ごたえがあるステアフィールに仕上がっているのが好印象の1つです。VGRのアシスト機構は油圧式を採用されているらしく、中立付近の曖昧さ、つまり落ち着きのない挙動が全く感じられなかったです。
残念ながら山道を走る機会に恵まれませんでしたが、個人的な見解では、ハンドリング性能は高いレベルに仕上がっているだろうと想像しています。
現行型レジェンドと乗り比べると、レジェンドはLクラスのドライバーズカーであり、インスパイアはゆったりとしたクルージングを楽しみたいクルマという両車の性格の違いがはっきりしていたと思いました。
アメリカではカムリがインスパイア(現地名アコード)最大のライバルであり、日本では排気量と価格面を考慮すると3.5Lエンジンが搭載されたティアナ、価格帯だけではマークXがインスパイアのライバルに当たるといえます。
5代目インスパイアは日本の文化とアメリカの文化を巧く融合したLクラスであると思います。
【参考】
★ 本田技研工業・ホームページ「インスパイア・オフィシャルサイト」
URL=http://www.honda.co.jp/INSPIRE/