お知らせです。
しばらくブログをお休みさせていただきます。
8月末には元気に再開するつもりですので、そのときからはまた、より一層よろしくお願いいたします!

「 1、生ぬるい空気
だらんとした肉体にへばりつく
まぶたの奥で ジンワリと熱いものが流れてる
くるったような時間

闇夜の姿が見あたらない
はるか隅へとおいつめられた
視線だけがちらほらと
乗りこむ機会をねらってる
くるったような時間 」

「 5、誰かが誰かに話しかける
耳をすませている
眼の奥に 一瞬のユウウツが見てとれた
悲しさで染まり始めた君の頬
軽く握り締められた手の内で生まれる反動 欲心
微笑をもらす 口元がかすかにふるえる
灰色のつぶが目の前でパッとはじける
きっと君は気付かない振りをするのだろう

遠くで話し声がする
新芽が濡れた大地から 勢いよく顔を出す
色とりどりの音楽が
痛いげな時の傷を癒してくれる 」

「 6、周りとの違和感に苛まれ続けた
寂しさを身にしみこませて生きてきた
誰よりも強く生きることを望んだ
そんな個体もある 」

「 10、決して無垢じゃないってこと
むしろ あれもやこれもや欲し続け
嫌になるくらい見た
溺れる限り 溺れていたの
甘えてるってこと ひたすら知らん顔して
共に流していたね 涙
耐えて耐えて 耐えて 信じてきたよ
決して無垢じゃない 」

「 11、聞かせるのはやめたよ
グワングワンと回る頭を両手で支えながら
一気に飛び越えるのを少しずつ我慢
膝を落として始めての寒を知る
< ああ こんなにも広い場所
行きずりの男と 産み落とされたばかりの女が
砂の中へと消えてゆく
僕には眩しすぎた あの光景が! >

聞いた 聞いたよ
あっさりとページをめくった君を追いかけて
あの 鋼鉄のような 雪崩のような
時に身を投げる 今すぐにでも
ページをめくりたいと願う
( もう すぐそこまで来ている・・・ ) 」

「 13、ともに眠りにつく頃
昨日の喧騒は何だったのだろうねって 再び考える
冷えた毛布が身体に沿って
小さく丸まった手足と腹の辺りから温まってくる
ゆっくりと まぶたを閉じた後も思考は続く
ともに眠りにつく頃
誰かの到来に期待と不安を感じずにはいられなかった 」
99・3・2

「 14、誰の愛した文字も届かない
苦しさのあまりに形は 形をなさずに揺れる
みずみずしさの失せた草原で静まり
誰かの言葉で立ち止まる訳にはいかなかった
末路 少年のような自由はいらない
しかし意味深き行為を何一つできずにいた
この 薄汚れた敗者との関係と 末路への香り
誘惑にかみついた訳を考えてみるんだ 」

「 15、破壊することだけが救いだったのだろうか?
自我のバランスを保つためには 毎日毎日
よそみもせず あの部屋でひっそりこもっておく
ことが必要だったのか?

ふいに飛び出してしまったこの身体は
何も知らない 何も知らない 何も知らない 何も知らない
一人で支えうるにはあまりにも軽すぎた
根のないアシを大地にアイサツ
大地を踏みしめるには まだ時(と木)を必要とした

楽しみをわかちあえず 苦しみを共にできず
充実した生を築きうる訳がない
今ここにいて 知るに至ったユイイツのことは
自らの土台が軽はずみに育ちつつある
ということだけだ 」
99・3・9

「 16、遠回しな言い方だけど ごめんよ
朝 朝のすずしい水 呼吸
は一人だけの時間を 私の
閉ざされたまぶたから 足早に遠のかせる
決してふさぎこんだりしない
両の手のひらは
誰の名前も届かなくなるまえの
お前の体温をしっかりつかまえてきたから

私は
あまずっぱいような
あさはかであるような
とりかえしのつかないような
運命とのまっすぐな対峙のようで
ただの幼いすれ違いのような
曇り空のまったく似合わない笑顔で
激しい感情の起伏だけを頼りに・・・
頼らないで
信じた道を静かに歩みたい 」
99・3・12

「 12、死はどこにでも転がっている
眩しくて直視できないものが
今でも身近にあることの歓び
それを感じ取れるということ・・・
ぬくもりを四肢に浴びながら ほら
こんなにもやさしい気持ちになれた

一方では寒さに震え 冷たい雨を凌ぎ
また一方では 遠い遠い青空と太陽の共演に出会う
生は身近で どんなにも切り離せぬが
その存在自体は一方的で
いずれは死によって結ばれるもの こと
両の手を いっぱいに空へ 」
98・12・30

「 18、もうどこでもないだろう
気持ちが静まるまでは
どこへ歩いても
どこから展望しても
どこから電車に乗っても
どこで別れても
どこで飯を食っても
どこで本を読んでも そこは
もうどこでもないだろう
もうどこでもなくなるだろう 」
99・4・11
高緑和昌第二詩集「17 23」収録 <20>より引用
(・・・予言めいて零れ落ちた言葉に 現実がようやく追いついたと思える瞬間が ある)
賢治の学校・実習生 緑