半夏生れ はんなつうまれ
ハンゲショウの薀蓄コピーがスーパーのチラシにあった。今日は半分夏気分。梅雨の晴れ間がやってきて素敵なお客様ももうじきご到着。少しの間に雨のせいか、草たちはものすごいことになっている。とともに夏らしい花たちも変わらず元気に蟲を遊ばせる。宿屋のおやじ気分半分夏気分ということでめでたい。
まだ宿を始める前、そう田植えを終えて、賢治の学校のメンバーとご苦労さんピクニックに日南海岸、大堂津海水浴場に繰り出した楽しい思い出がある。そう7月1日だった。その年は、関東は遂に梅雨が明けないお盆を迎える年だった。
あれ以来、ピクニックはしてないし、しょっぱい海の水に身体を浮かせることもなくなったなあ。山一途。というのも残念。せっかく青い広い海が待っているのだから。浸かりたいなあ。へとへとになりたいなあ。
磯辺の小動物たちともお友達になりたいものだ。
草むら畑では、ずんずん蓑虫からてふてふたちがメタモルフォーゼしている。
虫たちは機械体操の選手のように、身体をしなやかに回転させて連続ウルトラシーを惜しげなく見せつけて、個人練習に余念がない。
一月前はかれんな白い花だった蜜柑も、豊満な思春期から熟年へ移行している、人なら38歳ぐらいか。蜜柑が蜜柑へと未完から完へと。これが夏のドラマだよなあ。
気分がポジティブになってきたので、床のシミもごしごし。なにしろここ宿は自宅の猫屋敷とは趣が違い、蜘蛛屋敷に夜中はなっているので、せーけつせーけつを心がけているのである。
1号室は東の照葉樹林回廊の上なので、先週のお客さんの足の裏を蚊が刺したというクレームに、せーけつせーけつを心がけている。ウコンが美しい。
美女とこのウォーターベッドでイチャイチャしたいものだとか何とか、夏は想像力も高まり、現実をしばし忘れさせてくれる。
ねえあなたあぁ、涼んでらっしゃいよ。はめつけすぎるとよくないわ。
夏には昼寝が一番よん。などと花たちも汗してどうどうめぐる人間の営みを諭すのである。
こんな具合で、今年の夏も半分は過ぎてゆく。後半はカラカラ天気が続くと旧暦カレンダーは書いている。本当に水が無い月になるのだそうだ。7月7日は満月。お盆の頃に秋が忍び寄る。あと半分の夏さん、楽しくやりやしょう。