ペスト・ジェノヴェーゼ
夏の名残りのバジルで、極上ペストを作るべし☆

…バジルの苗を買って育てたは良いけれど、すぐに花が咲いてしまって、葉もバリバリになって使い物にならなくなってしまった…というご経験をお持ちの方も多いと思います。そんな方にここでこっそり、一本のバジルの苗でいつまでもみずみずしい食感と風味を楽しめる裏技をお教えしましょう。
バジルは、実はとっても強い植物。枝を摘んで水に挿しておくと、いつまでも元気で、しまいには切り口から立派な根っこが生えてくるのをご存知でしょうか。
そうやって、白いひげのような根っこが生えたものを、思い切って土に植えてみてください。意外にもしっかりと根付いて、新しい葉っぱが次から次へと生えてきます。
料理に使ってほとんど葉っぱのついていない残りの枝でも十分大丈夫。これを何度も繰り返し、我が家では夏の間ずっと、初々しいバジルの葉っぱを楽しむことができました。ぜひ、お試しください!

夏の象徴とも呼ぶべきハーブのバジル。今年はいつまでも夏だったので、まだ青々としていますが、さすがに秋が深まってきて、もうおしまいの時期。秋の花に場所を譲るべく、引退です。
採ってみたらかごにいっぱいになるほどだったので、冬の間冷凍にしておく用のトマトソースに使う分を残して、「ペスト・ジェノベーゼ」を作ってみました。
「ジェノヴァ風ペースト」というのが直訳です。イタリアはリグーリア州のジェノヴァという港町の発祥でにんにくの利いたバジリコのペーストのこと。これでもかと言うほどふんだんにバジルを使います。
とにかく美味しい!!にもかかわらず作り方はいたって簡単。材料もシンプル。それだけに、素材は質の良いものを選ばねばなりません。
使うのは、新鮮なバジルの葉、松の実、にんにく、パルミジャーノ・レッジャーノ、それにオリーブオイル。あとは、塩コショウです。
…ジェノヴェーゼを作ろうと思ったのは、大量のバジルの処遇に困ったからだけではありません。実は、とっておきの美味しいオリーブオイルがあったからなのです。

今年5月に女の子を出産した、伊豆に住む私の大親友。彼女が出産の内祝いとして送ってくれたのが、このオリーブオイル。澄んだ美しい黄金色が、彼女がお子さんを授かった時にちょうど迎えていた麦秋の麦畑を思い出させます。
実はこのオリーブオイル、オーストラリア産なのです。変なくせがなく、素直でどんな料理にもマッチしそう。すべての味をまろやかに取りまとめてくれそうな包容力を感じます。ということでこの、素材の個性と個性が主張しあうペストには最適とみました。さっそく作っていきましょう。
…まずは松の実をフライパンで乾煎り。焦げやすいので、弱火で絶えずゆすります。
パルミジャーノ・レッジャーノは、「パルメザンチーズ」と称する缶のものはやはりいただけません。あれは、似て非なるもの。少しムリしてもイタリア産のホンモノをおろして使います。安心院にはオシャレな輸入食材屋は存在しないので、大分市内のデパートまで遠征し、小さな塊を仕入れてきました。
…このあたりは「地産地消」のモットーに反しますが、まぁ、たまには良いでしょう。。。

冷ました松の実、自家製の有機にんにく、そして大量のバジルの葉をフードプロセッサーに入れてペースト状にします。水分が足りなくてよく回らなかったら、オリーブオイルを足してゆるめてもOK。よくまわして、トップ写真のようなペーストができたらボールにうつします。
パルミジャーノ・レッジャーノと塩コショウを投入。パスタに絡めることを考慮して、少し強めに塩味をつけておきます。それを混ぜながら、ここで陰の主役、オリーブオイルをやさしく混ぜ合わせていきます。

これで出来上がり。茹でたてのスパゲティやペンネに絡めて食べれば、後は何も要りません。(しいて言えば、辛口の白ワインがあったら最高ですが…)
フライパンでさっと焼いた白身魚に添えても、抜群のソースになってくれます。
保存するにはビンに入れ、バジルの変色を防止するため空気に触れる部分をエキストラのオリーブオイルを注いで覆います。冷蔵庫で10日ほど日持ちがしますが、もっと保存したいなら冷凍も。
…と、ここまで作って、「そうだ、赤ちゃんと一緒で多忙の友人に送ろう!」と思い立ちました。茹でたてパスタにあえるだけなら、簡単で一品になりそうですから。なによりこの美味しいオリーブオイルを使った「オオイタリアン」、送った本人にも味わってもらいたいではありませんか。
ちょうど衣替えをして去年うちの子が着ていた冬の衣類も、ついでに引き受けてもらっちゃおう。
…パスタを平らげ、さっそく荷造りにかかるのでした。
