Super Cypha GT1のブログ

滑るな、パナソニックトヨタ。2008年こそは初優勝くらいにしておくか。そして日本最強チームに。


今日は思い切り大躍進で久々に溜飲が下がった株式市場

2008年10月31日

あり得ないことが、(157)

これはフィクションです。実在の人物、団体等とは一切関係ありません。


翌日、営業君が出社して来た。当然好奇の目は営業君とそしてその相手方である僕に集まった。廊下は黒山の人だかりというわけでもないがかなりの人数がそれとなくこの部屋を覗っていることは感じ取れた。

 

今回のことで人間という生き物はつくづく他人の不幸が好きなんだなと実感させられた。でも時と場合と話の内容にもよるが、他人の噂話は興味深いと思うこともあるのでそれも止むを得ないところはあるかも知れないが。営業君は部屋に入ると真っ先に今回の件に関する所信を表明した。

 

「僕は今回の会社の処分は全く承服しかねるものがあります。何より今回僕は顔面及び両眼瞼眼球結膜化学火傷という傷害を負わされたにもかかわらず一方的に処分されるということは受け入れ難いものです。今回の処分については法的に対抗措置が取れるかを検討して対処していきたいと思います。」

 

この野郎、本当に黙っていれば勝手なことばかりほざく奴だ。もう少し何かを言ったら言い返してやろうと思っていたところ何と驚いたことにクレヨンが反撃の砲火を開いた。

 

「その何とか火傷って言ってもそれはあなたが佐山主任を襲ったからでしょう。本当ならこんなことじゃあ済まないんじゃないの。その辺をよく考えてみた方がいいんじゃない。」

これは極めて妥当な意見でこれをクレヨンが口にしたことはほとんど奇跡と言ってもいい。そしてクレヨンにこんなことを言われる営業君はもうそれこそ人間やめますかの世界だろう。

 

「確かにそういう事実はありました。しかしそれは彼女から誘われた結果です。いわば僕ははめられたと言っても言い過ぎではないと思います。佐山さんは何時ものように今回も初めからとても落ち着いていました。それは彼女自身そこで何が起こるか知っていたからです。僕たち二人しかいない会社の中で僕を自分の良いように誘ったんです。でも僕が自分の思い通りにならないのであんなことを。僕はきっと闘いますから。」

 

「あなたも男ならもう聞き苦しい言い訳にもならないようなたわ言はおやめなさい。」

とうとう女土方が口を開いた。

 

「その時起こったのかなんてその場にいた当事者しか分からないわ。だから何が起こったかを知るにはその当事者に聞く他にはないのだけど、今あなたが何を言ってもあなたの言うことなんか信じる人は誰もいないわ。今回の処分もそうよ、事実確認ばかりじゃないわ、今回のことについては社として公式に佐山さんの主張を受け入れてあなたのを退けたということよ。

 

言っておくけど佐山さんはあなたのことは本当に嫌っていたわ。彼女があなたをわざわざ夜の会社の中で誘う理由なんて何一つないわ。おばかさんなことばかり言っていないで自分のしたことを本当に考えなさい。

 

それからね、佐山さんが落ち着いているのはこの人の状況判断能力と対応策を考え出す能力がとても優れているからよ。あなたが言うような理由で落ち着いていたわけではないわ。」

 

やっぱり女土方のものの言い方には有無を言わせない迫力がある。営業君も何も返せずに黙り込んだ。ところがここで予想もしないことが起こった。株屋の姉御が立ち上がったのだ。

 

「もう処分も出たんだから皆で何時までも吠えかからないでこれで終わりということでいいじゃない。お互いに結論が出ないことを何時までも言い合っても仕方がないわ。今日彼がここに来たのは辞職の手続きを始めるためよ。」

 

「辞職ってどうしてあなたがそんなことを知っているの。」

北の政所様が唖然とした表情で聞き返した。

 

「そんなことどうでもいいじゃないって言いたいけどまあいいわ、教えてあげるわ。私、彼と株で商売をして行くことに決めたの。私も彼と一緒に辞めるわ、この会社。何時か近いうちにこういうこともあるかなって考えていたけどね。こんな早い時期にこんな形で身を引くことになるとは思わなかったわ。

 

でも、この年になってもう自分一人で生きていく他ないかなって思っていたところにまさかこんな形でパートナーに巡り会うなんてね、ちょっと予想外だったわ。そうは言っても年も一回りも違うから何時まで相手をしてもらえるか分からないけど、彼が私で良いって言うなら私はしばらくそうして彼と一緒に生きて行くわ。」

 

この株屋の姉御の一言、これは効いた。その場にいた全員がこの株屋の姉後の発言で唖然騒然呆然の態で誰も何も口にすることが出来ずに呆けた顔を株屋の姉御に向けていた。一昨日の晩、ことが起こった時に僕と入れ替わりに株屋の姉御が部屋に入って来た。

 

あの時点では間違いなく営業君と株屋は無関係だった。株屋は何か全く別の用事があって会社に来たのだと思う。そこであの事件に出くわして眼が痛いと泣き叫ぶ営業君に同情してしまったということだろう。

 

株屋の姉御は僕に対しては何も非難めいたことは言わなかったので、ことを仕掛けたのは営業君だということは納得しているんだろう。それにしても何という電光石火の早業だろう。究極の甘えん坊の営業君と押し黙って感情を押し殺し、滅多にものも申さないけど、きっと母性本能を持て余していたのだろう株屋の姉御が弾けるようにくっついてしまったのだろう。

 

でも世の中には女の方が一回り以上も年上でも仲良く夫婦をしているカップルもいるんだし、平均寿命を考えても女の方が五、六歳年上くらいがちょうど良いのかも知れない。


2008年10月31日 0:00

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