インディ500 リビュー
史上最高の賞金総額となる$14,406,580(15億円超)の中から最大の分け前をもらったのは、
優勝したスコット・ディクソン。
獲得賞金額は$2,988,065(3億円超)!
これには1千万円超のポールアワードも入っています。
チームとの分配はいくらになるかは知りませんが、
それでは豪邸が建つわけです。
下世話な話はその辺にしておいて、
インディ500では最後尾(フィニッシュしなくても)でも
3千万円以上の賞金が出ます。
ビクトリーレーンに入れるのはたった一人だけですが
その他にもドラマがあったので振り返ってみます。
まずはラップリードもあり、優勝候補の一人であったトニー・カナーン(TK)。
結果的にチームメイトのマルコ・アンドレッティの強引なパッシングによってスピンし
サラ・フィッシャーを巻き込んでクラッシュに追い込まれたわけですが、
レース後のTVインタビューが印象的でした。
「自分がここでトップを走っている時に何かが起こるのはいつもの事だよ・・・・」
「チームメイトとして(マルコの)動きは馬鹿げていた・・・・・」
「自分が引かなければ、2台ともクラッシュだったよ・・・・」
「ぶつかったサラ・フィッシャーには申し訳ない・・・彼女すごく泣いてて
それを見て非常に複雑な気分になったよ・・・」
などと語っていましたが、
チームメイト、それもチームオーナーの息子がクラッシュの原因だったこと、
勝てるレースカーがあったにもかかわらず勝利をあきらめたこと、
レース前にメインスポンサーに逃げられたSフィッシャーをリタイヤに追い込んだ上に
彼女のほうから泣きながら謝って来たことに対して非常に申し訳なさそうだったこと、
なんか、マルコに対しては怒りを通り越してあきれていたような感じでした。
このインタビューを見てTKへの高感度がかなりあがりました。
来年はぜひ勝って欲しいと思っています。
そのクラッシュを受けてのチームオーナーのマイケル・アンドレッティ。
事故直後のTVインタビューでは声が震えていましたね。
「レース折り返しに入ったばかりだと言うのに、今やる動きではない・・・・」
と完全にオカンムリ。
できれば、祖父のマリオ・アンドレッティのコメントも聞きたかったですね。
眉毛が完全に富士山のような形になっていましたから。
で、レース終盤のハイライトとなったダニカ・パトリックとライアン・ブリスコーの
ピットレーンでの場外乱闘。
ダニカはすでにピットレーン一番右側の走行レーンにいたので
それにぶつかったブリスコーが攻められるのは致し方ないところ。
しかし、ダニカもTKのように「一旦引く」と言うことができていれば
レースすべてをフイにすることは無かったでしょう。
その場で1ポジション落としても
少なくとも最終的にはTOP5フィニッシュはできていたでしょうから。
その後の場外乱闘もすごかったですが、
ダニカを止めなくても良かったような気がします。
まさか「乱闘」なんかにはなってなかったでしょうから。
しかし、ダニカには去年に、幅寄せしてきたウェルドンをレース後に小突いた前科があるので
無理やり止めたのでしょう。
二人目の女性ドライバーも涙でレースを終えました。
対するライアン・ブリスコー。
あのサム・ホーニッシュジュニアの後釜として
ペンスキーのレースカーを駆ることに多少なりともプレッシャーがあるはず。
今回も序盤のトラブルでの1周遅れから、なんとかリードラップに回復してきたので
「ここからが勝負」とばかりに気合が入っていたのでしょうが、もったいない。
次あたりのレースでは「ダニカVSブリスコー!第2ラウンド!!開始」Tシャツが
売られるのではないでしょうか。
その乱闘の裏で、ひっそりとレースを終えたトーマス・シェクター。
原因はハーフシャフト(ドライブシャフト)のトラブル。
おそらく、ピットアウト時の発進のときに壊れたのでしょう。
常にTOP5につける好走だったので、楽しみでした。
こんな彼がスポット参戦とは非常に残念ですが、
この走りが功を奏して、後3レースほど出られそうな感じです。
ベストフィニッシュの5位だったエド・カーペンター。
純粋にミジェット、スプリントカーなどのショートトラックレースからのステップアップで
ロードレースは相変わらずスピンしまくりですが、オーバルでは本物になってきました。
ギアに問題を抱えて、一度はピットストップで遅れてリードラップ最後尾にまで落ちましたが
そこからの5位フィニッシュは立派です。
キャリア8度目の2位フィニッシュとなったヴィトール・メイラ。
160周目のリスタートでは91年のマイケル・アンドレッティを髣髴とさせる
ターン1での豪快なアウトサイドパスでリーダーになりましたが、
170周目のイエローの時のピット作業でSディクソンに順位を譲ったのが
運のつきでした。
ピットタイムはメイラが8秒、ディクソンが11秒。
しかし、ピットアウト時の順位は逆・・・。
おそらく、メイラのピットはピットレーンの中ほどなので
ピットインしてくるほかのレースカーとラインが交錯したのでしょう。
予選トップのディクソンは1番ピットなのでストレートアウトできます。
その後のメイラは
おそらくスピードを稼ぐためにギリギリまでダウンフォースを削ったために
ディクソンの背後のダーティエアの中ではハンドリングバランスが不安定だったのでしょう。
Sディクソンに次ぐ30周のラップリードを奪いながらも
12位と不本意の成績に終わったダン・ウェルドン。
おそらく、彼はかなりのローダウンフォース仕様だったのではと思います。
スタート前は気温14度、湿度42%、路面温度36度。
この非常に涼しい状況からレース終盤には「かなり暑くなった」と言うので、
空気密度はだいぶ下がったと思われます。
この結果、集団走行ではかなりアンバランスなレースカーになっていたのでしょう。
フロントウイングのフラップとリアウイングのメインプレーンの角度はレース中にアジャストできますが、
リアのガーニーフラップの交換は禁止です。
あと、最後のピットではリアカウルをあけていたので
リアサスペンションに何かトラブルがあった可能性もあります。
7位フィニッシュの武藤英紀選手。
ルーキーながらも堅実な走りでトップ10フィニッシュはすばらしい結果です。
ただし、彼もダウンフォース不足には悩まされたようで
一時は5位を走りながらも真っ向勝負でEカーペンターと、
ルーキーのライアン・ハンターレイに抜かれてしまって、
ルーキー賞を逃したことは非常に悔しかったでしょう。
しかし、シーズン後半戦の走りが楽しみです。
今回、解説に来ていただいた松浦孝輔選手。
JスポーツのスーパーGT中継の解説者としてもおなじみですが、
こちらの期待以上のしゃべりで中継を盛り上げてくれました。
ツインリンクもてぎでのフォーミュラ・ニッポンのレース帰りで
疲れていたとは思いますが、
ものすごい興奮状態で見入っていましたね。

【生放送終了直後の実況席の3人、5時間6分の生中継でした。】
インディ500の興奮もつかの間、
インディカーシリーズは今週末に第6戦が行われます。
と言うことで、私もすでにミルウォーキーに来ています。
スーパーGTレースの次のレースはしばらく先ですが
当分は左回りのレースに専念します。