1台?それとも13台?
米大統領選共和党候補のマケインさんが、外国車など13台を所有していることをネタにUAW(全米自動車労組)から糾弾されているようです・・
まずは以下AFPの記事からご覧ください。
「米大統領選の共和党候補ジョン・マケイン(John McCain)上院議員が外車など13台の車を所有しているとのメディア報道をめぐり、全米自動車労組(United Auto Workers、UAW)は21日、「米自動車産業の労働者らの実態を把握していない裏切り者」とマケイン氏を非難した。UAWは、民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員を支持している。」
(『マケイン氏、輸入車所有で自動車労組から「裏切り者」扱い』 AFP 9月22日 http://www.afpbb.com/article/politics/2520124/3363575)
ということだそうです・・
いや、民主、共和どちらの候補を応援しているというわけでもないのですが・・・(だいたい応援してどうにかなるというわけでもないし・・)
ただしUAWのこの言い方、とくに、
「輸入車に乗るような大統領はいらない」(引用同上記事)
などというもの言いに、なんとなくかつて日本車をハンマーでぶっこわしていたことなんかを彷彿させる空気を感じたのでちょっとなにか言ってみたくなりました。
まあ、記事によればマケインさんがもともと「国産オンリー」だとリップサービスしていたらしく、でもじっさいはレクサスやホンダ、VWなど国産・輸入車等併せて13台も所有しており、それが庶民の生活実態からかけ離れていると批判されているわけで、ある意味もっともな部分がないわけじゃありません。しかもUAWが推すオバマ候補はフォードエスケープハイブリッド1台ポッキリ所有というクリーンさなわけで。
ちょっと突っついてやるかという気になるのはよくわかります・・
しかし「輸入車に乗るような・・」などというのは、いささか時代錯誤的、内向的、ヒステリックな感じを受けずにはいられません。だいたいいまどきは日本車であれどこの国のメーカーであれ米国内に生産工場を持っていて、アメリカ経済の一翼を担っているのは誰でも知っています。
日本やドイツの輸入車はその性能・品質の高さによってアメリカ人自身によって選ばれ、高い満足感をもって迎えられ、もって米国内の地域経済を振興しているのにたいし、いっぽう金融資本主義の暴走を許し、未曾有のバブル崩壊を招き自国経済を破綻の淵に追い込んでいるのは米企業・政府じしんです。
その行為責任を曖昧にし、他国のすぐれた貿易産品(自国産品でもある)を象徴的に攻撃するような感情的・短絡的行為は、UAWの推す「変革」を標榜するオバマ候補にとってもけっして好ましいものではないとおもいますが。
さて、はなしを変えてクルマ好きとしてどちらがいいか?ということで。
オバマさんが、「米国産車の未来を象徴するグリーン車」(UAW・ゲットルフィンガー会長)であるエスケープハイブリッドに乗っていることはひとつの見識だとはおもいます。
しかしいっぽう、マケインさんは国産に限らず輸入車をたくさん持っている、つまり外国車も知っている。それは環境保護の問題とはまたべつのひとつの見識というか少なくとも経験であるのではないかとおもいます。もちろんそれを富裕層への攻撃材料につかうのは容易ですが、感情的な一種の排外主義とセットになったグリーン(環境保護)というのもあまり健康的でないようにかんじます。
ようするに「輸入車に乗っている」ことや「たくさんクルマを所有している」ことが必ずしも「米自動車産業再建に取り組む大統領」としての資質を欠くとはおもえないわけです。
じっさいマケインさんは今夏、「次世代カー向け燃料電池の改良者に3億ドルの賞金」という、じつにわかりやすい発明促進懸賞を提案しており(『燃料電池の改良者に3億ドル提案』 CNN.co.jp 6月24日 http://www.cnn.co.jp/campaign2008/CNN200806240011.html) もちろんこれがいささか泥縄的、場当たり的、神頼み的な感は否めないもののそれなりにアメリカンドリームなイメージがあって好きです、わたし。
また、同上記事「米政府は石油の代替品を物色する過程で、特殊な権益に補助金を投げ打っては弁解してきた」を読むかぎり、現状認識と次世代エネルギーに関する立場は鮮明だし評価できるとおもいますね。
で、結論。1台のオバマさんか13台のマケインさんか?
わたしはマケインさん支持。新人のオバマさんに現在のアメリカを「ハンドリング」できるとはおもえないから。