新型カローラをレンタカーで試乗した
今月2度目の岡山出張は、新幹線&レンタカーで行くことにし、新型カローラを借りて試乗した。性能・乗り心地・使い勝手など、面白みはともかく『何ら不満のないクルマ』だったが、『実用的で高齢者向きの商品』というイメージが出来上がっている事を考え合わせると、複雑な気持ちを抱かずにいれなかった。
岡山駅から新型カローラ・セダンでサーキットに向かう

これまで乗ったことのなかった、新型カローラのセダン(アクシオ)を、岡山国際サーキットまでの足に選択した。レンタカーなので、ベースグレードの素っ気ないクルマではあるが、ナビ付の落ち着いたセダンで、荷物も沢山つめて実用的なクルマである。
岡山の市街地に乗り出す。加速時のエンジンサウンドが『典型的なトヨタ車4気筒エンジンサウンド』であることに、チョッとがっかりするが、性能や快適性は充分なレベルと感じた。ミッションはCVTなのだが、これまで色々なクルマで経験した不自然な感覚は払拭され、ほとんど普通のAT車的だ。
よく整備され走りやすい岡山市街地を抜け、岡山ICから山陽道に流入した。高速道路では、さらに印象がよくなった。昔、カローラセダンで高速道路走行というと、少し『我慢的ニュアンス』があり、『うるさいエンジン音に耐えて走る』ことだった・・・と記憶しているが、今は昔・・・。タコメーター装備されていないので回転数はわからないが、時速100km/hでおそらく3,000回転程度、クルージングも加減速もラクラクだ。


岡山国際サーキットに向かう『懐かしい日本の風景』の中で、カローラセダンを考える。
山陽道から降りて山間地に入っていく。周囲に余計な看板がないためか?きれいな(懐かしい日本の山地田園)風景で、もし雨でなければ、多数写真撮りながら走行していたと思う。
こうした道路でも、カローラは、不足のない走りをする。急な登りやワイディングロードでは、力不足は明らかだし、ハンドリングも全く面白くはない。・・・が、破綻しないのは当然のこと、そこそこの実力では走れるのだ。
と、色々と考えているうちに、目的地の岡山サーキットに到着した。岡山駅から1時間弱、50km程度のドライブだったが、新型カローラは、足として充分以上の働きをしてくれたと思う。少し大げさにいうと、『安全・快適にリラックスして目的地まで行く』という、現代のクルマの基本的要件を高い次元で実現させていると感じる。運転していて、ストレスに感じることは何もなかった。

クルマとしての実力と、クルマとしてのイメージを考える
新型カローラは、日本の普通の使い方には、何ら過不足のない『実力を備えたクルマ』だった。(そんなことは当たり前と言われるかもしれないが)、このクラスの商品では、加速・音・減速・コーナリング・・・と色々な面で、運転者の期待値(これ自体がクルマ経験度高度化で上がっている)何かしらのストレスを感じさせるものが多いのだ。
クルマとしての実力は高い。・・・・だけに、この何の変哲もない4ドアセダンのカローラが一般的に持たれているイメージとの対比を考えざるを得ない。
米国やアジアでは、カローラセダンは『業務用車や高齢者向き商品』ではない。が日本では、(おそらく業界全体の商品サイクルが短すぎ、商品バリエーションが多すぎ、また日本のマーケットの特殊性:同質で流行をつくり易い・・等の要素があるのだろうが)、とても『若い人にも、ファミリーにもピッタリのバリューの高い万能車』とはいい難い状況である。
『内容が良いからカローラセダンを選んだのだ。』と、胸を張っていえないところに、日本でのカローラの難しさや、商品の持つ実力とイメージの関係の難しさを思わざるを得ない。いろいろ考えさせられる試乗だった。
2007-03-25