試乗記・28〜スズキ ワゴンR〜
軽自動車の“ベンチマーク”
今回は、2008年9月に発表された4代目ワゴンRの試乗記を
お届けしたいと思います。
このクルマについて、EP82-SW20さんのブログでもご紹介しています。
そちらと合わせてご覧になって頂ければ幸いです。
EP82-SW20さんのブログでご紹介して頂いた、
ワゴンRの記事はこちらになります。

スズキ ワゴンR サイドビュー(写真はFXリミテッド)
☆試乗グレード ワゴンR FX 4WD(4速AT)
☆ワゴンRの概要☆
ワゴンRは、1993年に登場してから15年が経ち、2008年9月に4代目へフルモデルチェンジされました。ラインナップは、ワゴンRとワゴンRスティングレーの2本立てで構成されています。
まずは、このクルマのボディサイズを見ていくと、スリーサイズは、全長:3395mm、全幅:1475mm、全高:1660mm、ホイールベースは2400mmで、全高とホイールベースの寸法は、旧型と比べると、前者が15mm(4WDは−5mm)、後者が40mmとそれぞれ長くなっています。
プラットホームは、2008年1月に登場したパレットと共用し、フロントサスペンションは、新設計されており、ホイールベースの延長により、快適な乗り心地を実現し、フロントサスペンションに取り付けられているスタビライザーの取り付け位置を見直すことにより、安定した操縦性を実現しているとのことです。サスペンション形式は、フロント:マクファーソン式ストラット、リア:I・T・L式コイルサスペンションで、リアサスペンションはスズキ独自のもので、この形式は、トーションビーム式サスペンションの1種です。
エンジンは、直列3気筒NAとターボチャージャーの2機種が用意され、ターボ仕様は、新開発で、ターボ仕様のエンジンの特徴は、軽量化とハイパワーを実現したエンジンに仕立てられているようです。
今回のワゴンRは燃費性能に力を注ぎ、カタログデータに記されているNA仕様のCVTが搭載されたFFモデルの燃費は、10・15モードで23.0km/Lで、軽ハイトワゴンセグメントとしては、トップレベルの燃費を実現しているようです。
トランスミッションは、5速MT、4速AT、CVTが用意され、トランスミッションの設定は、グレード及び搭載しているエンジンによって異なり、ワゴンRスティングレーのターボエンジン仕様車には、パドルシフトが標準装着されています。
駆動方式はFFと4WDが用意され、グレードを問わず、駆動方式が選択できるようになっています。

ワゴンRのインスルメントルパネル(カタログ写真より。グレードはFTリミテッド)
☆質感が向上したインテリア☆
次にワゴンRの実車を見たときの個人的な感想を述べたいと思います。
このクルマをパッと見たとき、まず気付かされた部分は、ボディのボリュームが増し、従来のワゴンRと比べ、一回り大きくなっていると感じました。恐らく、4代目ワゴンRのエクステリアデザインに曲線を用いられた事と、ホイールベースの延長によるものだと考えられます。エクステリアデザインは、キープコンセプトながらも、ヘッドライトのデザインがつり目となり、ここの部分が4代目ワゴンRのエクステリアデザインの特徴となっているかと思います。
インテリアは、インスルメントルパネルの質感が向上し、タコメーターとスピードメーターが独立したメーターパネルのデザインやコラムシフトをそれぞれ廃した事などがこの部分の目新しい箇所といえ、ヒーターコントロールパネルのタッチ感が軽とは思えないほど、質の高いものに仕上がっていると感じました。
居住性についてですが、運転席と後席のヘッドクリアランスは、モデルの身長は170cmの場合で言いますと、運転席は拳で2個分程、後席は3個分程度の余裕があるかと思います。シートの座り心地は、まずまずですが、フロントシートクッション部が平坦なため、この部分の出来が気になるところです。
ラゲッジルームは、リアシートを可倒した時の最大長は、1200mm程で、4WD仕様の場合、床面がフラットな状態を保ちますが、FFですと、カタログを見たときには少しの段差があるようです。また、ワゴンRの伝統と言えるワンモーション式の可倒リアシートの操作性は、平均的レベルといった所です。
☆パレットの走りの良さをワゴンRに…☆
ワゴンRの試乗した印象を簡単に述べます。
今回、試乗したグレードは、FXというグレードで、駆動方式は4WD、トランスミッションは、4速ATとなっていて、搭載されているエンジンは、NA仕様の「K6A」型です。
エンジンのスペックは、最大出力54ps/6500rpm、最大トルク6.4kg・m/3500rpmで、エンジンスペックをダイハツムーヴコンテなどに搭載されている「KF-VE」型と比較すると、最大出力で4ps、最大トルクで2kg・mとそれぞれ低くなりますが、実際に運転してみると、エンジンの回転フィールが軽く、活発なエンジンとエンジンという印象が強いのが、このエンジンの特色と感じました。
トランスミッションとエンジンのマッチングは、ATのシフトスケジュールも適切で、シフトショックも皆無であり、NA仕様の「K6A」型のエンジン特性を巧く引き出されています。目下、NAもしくはターボエンジンに用意されている「CVT」のトランスミッションの出来は、エンジンとのマッチングなど、どれだけ洗練されている事が気になる点として挙げておきたいと思います。
乗り心地は、パレットと同様、固めのチューニングながらも、クルマの姿勢変化が少なく、そして、サスペンションの無駄な動きをしないので、フラット感はそこそこのレベルで、先日乗ったムーヴコンテとは違い、「剛」というイメージを沸かせてくれます。また、フロア部の振動がない事も、このクルマの美点の1つと言えるかと思いますが、ただ、マンホール部を通過するとき、強い衝撃がキャビンに伝わるのが減点項目で、この部分がもう少ししなやかな動きをすれば、このクラスとしてはトップレベルの乗り味に仕上がるだろうと感じました。
ハンドリングは、街中試乗だったため、限界性能は未知数ですが、パワステフィールは、走っている分には自然なフィールに仕上がっており、中立付近の曖昧さがなく、この部分は、パレットより明らかに洗練されているという印象が残っていますが、駐車時などごく低速でステアリング操作をする際、不自然な重さを感じさせるのが気になる所で、この速度域のアシスト量を増やすと、ステアフィールの印象がかなり変わるだろうと予想されます。
4代目ワゴンRに乗ってみると、欠点がいくつか散見されましたが、その部分を除くと、“軽のベンチマーク”に相応しい仕上がりを持つクルマという感じが非常に強いです。
今回のワゴンRは、インテリアの品質を向上させたことにより、軽自動車の枠で、コストパフォーマンスと高品質を両立したのが大きなウィークポイントだと感じました。
このクルマは、iQと4代目ライフが登場した時に、比較テスト車両として登場することになるかと思いますが、この2台と比較するのがとても興味深いです。

ワゴンR 本カタログ(写真左:ワゴンR、写真右:ワゴンR・スティングレー)
【参考】
☆スズキ株式会社 「ワゴンR・ウェブカタログ」
URL=http://www.suzuki.co.jp/car/wagonr/
☆スズキ株式会社 「ワゴンR・スティングレー・ウェブカタログ」
URL=http://www.suzuki.co.jp/car/wagonr_stingray/
☆スズキ株式会社 「ワゴンR・スペシャルサイト」
URL=http://www.suzuki.co.jp/wagonr/