賢治の学校 綾

綾には日本一の照葉樹の森などの雄大な自然が残されています。この環境の中で自然農を中心に学ぶ学校作りをingで行っています。人間に備わっている喜びを大事にした学びの場作りを行っています。いい汗でいい笑顔に!!


みんなでお絵かき大会(・・・になっちゃいました)!

2008年7月4日

桃源郷のことは 猫に聞かれてはいかがでしょう?

ジョバンニとカムパネルラのものがたりです。

 

 

 

 

 ジョバンニはああと深く息しました。

「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に

行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸(さいわい)のため

ならば僕のからだなんか百ぺん灼(や)いてもかまわない。」

 

「うん。僕だってそうだ。」 カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」 ジョバンニが云いました。

 

「僕わからない。」 カムパネルラがぼんやり云いました。

 

「僕たちしっかりやろうねえ。」 

ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧くようにふうと息をしながら云いました。

 

 

 

                 (・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕もうあんな大きな暗(やみ)の中だってこわくない。きっとみんなのほんとうの

さいわいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。」

 

「ああきっと行くよ。ああ、あすこの野原はなんてきれいだろう。みんな集ってる

ねえ。あすこがほんとうの天上なんだ。あっあすこにいるのぼくのお母さんだよ。」

 

カムパネルラは俄かに窓の遠くに見えるきれいな野原を指して叫びました。

 

ジョバンニもそっちを見ましたけれどもそこはぼんやり白くけむっているばかり

どうしてもカムパネルラが云ったように思われませんでした。

 

何とも云えずさびしい気がしてぼんやりそっちを見ていましたら向うの河岸に

二本の電信ばしらが丁度両方から腕を組んだように赤い腕木をつらねて

立っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。」

ジョバンニがこう云いながらふりかえって見ましたらそのいままでカムパネルラの

座っていた席にもうカムパネルラの形は見えずただ黒いびろうどばかりひかっていました。

ジョバンニはまるで鉄砲丸(てっぽうだま)のように立ちあがりました。

 

そして誰にも聞えないように窓の外へからだを乗り出して力いっぱいはげしく胸を

うって叫びそれからもう咽喉いっぱい泣きだしました。

 

もうそこらが一ぺんにまっくらになったように思いました。

 

 

 

     宮沢賢治著「銀河鉄道の夜」より <九、ジョバンニの切符>の一部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・カムパネルラは “ほんとうにこんや遠くへ行ったのだ。おまえはもう

カムパネルラをさがしてもむだだ”、けれども “おまえがあうどんなひとでも”、

実は “みんながカムパネルラ”なのだ、 “だからやっぱりおまえはさっき考えた

ようにあらゆるひとのいちばんの幸福をさがしみんなと一緒に早くそこへ行くが

いい、そこでばかりおまえはほんとうにカムパネルラといつまでもいっしょに行ける

のだ”と。

 この諭しがジョバンニの勇気・・・・・“みんなのほんとうのさいわい”を求めて

“どこまでもどこまでも”進もうと願うジョバンニの勇気をよみがえらせる。

そして “さあ もうきっと僕は僕のために、僕のお母さんのために、カムパネルラ

のためにみんなのためにほんとうのほんとうの幸福をさがすぞ”と “唇を噛んで”

立ちあがるジョバンニの耳もとに、“(略)お前はもう夢の鉄道の中でなしに

本統(ほんとう)の世界の火やはげしい波の中を大股にまっすぐに歩いて

行かなければいけない。”と、 “あのセロのような声”が聞こえてくる。」

 

 

         蒲生芳郎著 「二つの<銀河鉄道の夜>」 より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                (・・・・・・・・・・)

 

 

 ジョバンニは眼をひらきました。

 

もとの丘の草の中につかれてねむっていたのでした。

 

胸は何だかおかしく熱(ほて)り 頬にはつめたい涙がながれていました。

 

 

 

                  同上「銀河鉄道の夜」より

 

 

 

 

 

賢治の学校・実習生  緑

 

 

 


2008年7月4日 6:30

コメント

花よりごはん [2008年7月4日 16:42
猫好きにはたまらないです! 
[2008年7月4日 17:24
花よりごはんさま

毎日たまらない表情にであっちゃって大変なんです(笑)!

さんじ18 [2008年7月4日 19:27
干支のトラは、猫の名前の「トラ」だった。

創作小説を考えたことあります。

現代では
再来年は、トラ年 干支の神様になる猫の候補猫を探しているそうだ。
力持ちで賢くて千里の道のりを1夜で行ける猫
(写真の猫は、猫族の神様になるのを夢見ているのかも・・・・)

風人の宿 [2008年7月4日 22:37
以前の実践場では、猫アレルギーの来客からのクレームで、鼠対策との両立が断念された経緯がある。いや〜隔世の感あり。猫の学校綾賢治実践場って感じ、多分これもトレンド先取りかもね。来週からバングラデッシュに旅立ちます。前回柳氏がちゃっかりだんご粉をプレゼントとして持ちかえられたけど、お菓子づくりのブログに好感を持ってプレゼントのつもりだったのでR.賞味期限が迫ってきているので残り2袋は先着者に差し上げます。またもや柳氏が飛んでくるかもね。


[2008年7月6日 4:37
さんじ18さま

おはようございます。
力持ちで賢いかは、わからないんですが・・
毎日よおく眠っているので、夢の中では千里と言わず、万里も億里も自在に旅にでているのかもしれませんね〜。

小説、面白そう。
できたら是非読ませていただきたいです!!

寅の刻より

[2008年7月6日 4:49
風人の宿さま

おはようございます。
にゃんたちは、ご近所づきあいもあるらしく、ときどき見かけぬ猫さんも実践場にいらしては、ポンとおかあさんのごはんをつまんで食べています(笑)

バングラデッシュも、宮脇さんの潜在自然植生では
照葉樹林帯に入っていましたっけ?
食文化や風土の様子など、土産話も楽しみに待っていますね。もちろん!?お土産もっ!!

よき旅になりますように・・・

行ってらっしゃいませ



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