七夕の夜に・・・
賢治のみんなでお願い事を書いて若竹に結んだ短冊を、夜にちかくの深年(ふかどし)川に流し、お願い事の成就を祈りながらきらきら星空を眺めました・・・っと、そんな大事な場面を写真にとりわすれちゃった!んですが(気落)、帰り着いてからまた別のきれいなきらきらを見ることができました。

川からのかえりみち、外灯の少ない山道を学校へともどります。
くらい車内から照らされる前方の風景は、高速で現れてはぞくぞく消えるのを繰り返しながら、不自然なうつくしさで染色された不穏な夜の 人為と自然による魅惑的な<合成ヴァイタリティー>を助長していました。

車を降りて空をあおぐと、樹木の渋い光沢を見せる緑葉が黒い海の中でそよそよこちらをうかがうように揺れていました。
・・・まるで手招きをされているようです。

樹木のもっとずっと向う、それよりもっとずっと向うをながめてみました。
学校の周囲にもほとんど電灯がいないため、ほしぞらのひかりをぐぅんとちかくで
浴びていられます。
30分もその辺に座ってそらを見ていると、晴れていさえすれば流れ星をふたつは拝むことが出来るのですよ。
写真でわかるでしょうか、ぼんやりとしろくまるく光って見えるのは、あなたのパソコンについたシミではなくて、ほしのかがやきなんですよ・・・

2008ねん7がつ7か
みやざきけんの あやちょうからてをのばしてみえた あまのがわのいちぶです。
おりひめとひこぼしは あえたのでしょうか・・・
カササギは しっかりとあまのがわにはしをかけられたのでしょうか・・・

おっ!!!
こっちにははっきりとみえるお星がふたつ。
青白いのがおりひめ?
黄緑がひこぼし??

・・・じつはポンの両の目のひかりだったのでした。
左右でひかりのいろが変化するのですね。

こっちはおかあさんです。
最近、暑すぎるお昼間にはだら〜んとその辺でぐったり呆けているのですが、夜になると俄然元気に歩き回り始めます。
今夜は夜空と交信中のようです・・・

それではふたりの、玉虫色に変化する交信の様子をごらんください。

「濁みし声下より叫ぶ 炉はいまし何度にありや
八百と*いらえをすれば 声なくて炭(たん)掻く音
声ありて更に叫べり づくはいまし何度にありや
八百といらえをすれば またもちぇと舌打つひびき
(*いらえ・・・ 応答。 返事。)

灼熱のるつぼをつつみ むらさきの暗き火は燃え
そがなかに水うち汲める 母の像 恍とうかべり
声ありて下より叫ぶ 針はいま何度にありや
八百といらえて云えば たちまちに階を来る音

八百は何のたわごと 汝はここに睡れるならん
見よ鉄はいま千二百 なれが眼は何を読めるや
あなあやし紫の火を みつめたる眼はうつろにて
熱計の針を見わかず 奇しき汗せなにうるおう

ああなれは何を泣けるぞ 涙もて金はとくるや
千二百いざ下り行かん それいまぞ鉄は熟しぬ
融鉄はうちとどろきて 火花あげけむりあぐれば
紫の焔は消えて 室のうちにわかにくらし」
宮沢賢治 未定稿文語詩篇より 「幻想」

おふたりの、よっつのひかる宝石は、きっと今夜のほしぞらを一同にあつめて輝いていたのでしょうね。
七夕の宵のちから、あまのがわのちから、おりひめとひこぼしの再逢のちから・・・
にんげんのえがくものがたりにも、うちゅうと交信するためのたいせつな鍵がそなわっているのかもしれませんよ。
賢治の学校・実習生 緑