賢治の学校 綾

綾には日本一の照葉樹の森などの雄大な自然が残されています。この環境の中で自然農を中心に学ぶ学校作りをingで行っています。人間に備わっている喜びを大事にした学びの場作りを行っています。いい汗でいい笑顔に!!


2008年10月12日 午前6時23分

2008年10月14日

ちょっと、昔のお話。台風が去りました。

9/19 夕方から朝方にかけて、強い雨を伴った嵐が過ぎていきました。

 

 

 

 

 

 

幸い直撃は避けたようで、こちらを通る頃にはだいぶ勢力も衰えたらしく、夜中に強い風で眼を覚ましたり、家の周りで何かが壊れたりすることもありませんでした。

 

ほっとした心持で田んぼの様子を伺いに参りました。

 

ため池は予想通り、完水でミルクコーヒー色。

 

大々的に決壊した箇所は見当たらなかったので、一安心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田んぼの方はどうかしら?

 

なんだか、背後の樹木の辺りが白くかすんで見えますね。

 

何かの粒子が漂っているのか、ひかりの流れなのか、不思議な感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くで見てみると、倒伏が多いことがすぐにわかりました。

 

方角的には道路と反対側、森側の、ひかりがあまり射さない方が特に倒れていました。

森側より道路の方に向けてほとんどが同じ向きに倒れていたので、森からの吹き降ろしの風にやられたのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらはヒノヒカリですが、全面的に倒れてしまっています。

 

根の張りがあまりよくないこと、ため池からの水に異臭がすること、今回の台風も含め登熟期に高温で日の当たらない時間帯が続いたこと、窒素過多による症状も見られること・・・。

 

複合的に事実を確認しながら、対策を皆で講じていくつもりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんなに揚々と茂っているように見えた箇所でも、こんな風に一度の嵐でごそごそっと荒っぽく持っていかれたりするのですね。

 

 

・・・くりかえし・・・。それでももう二千年近く、日本でお米がつくられなかった年はなかったはずです。

 

 

農を営む民は、毎年試行錯誤を修正・更新しながら、〈台所〉ならぬ〈天下の胃袋〉を支えてまいられました、縄文以降の日ノ本の国の〈いのちの代名詞〉なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手前は遅穂米のミドリ米です。

 

こちらはまだ穂を垂れる前の開花期で、茎に養分が集まっている時期だったせいか、しっかりと直立しており、倒れた箇所はありませんでした。

 

 

 

ただ、強い風で自家受粉に障害が出ていないかが少し心配・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミドリ米の風上側は被害が大きいですが、風下になると衝撃が和らいだせいか、倒伏も少なかったように見受けられました。

 

古代米を育てる場合、ミドリ米を風除け用として縞状に交互に植えていくのもいいのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ばさばさとなぎ倒されて、乱れた姿。

 

こちらは、苗床に用いた場所ですが、苗床の時点から畝が低かったせいか、水のぐちょぐちょと溜まってぬかるんだ場所でした。

 

あまりにもぬかるみすぎている場所は、発芽もまばらだったので、定植した稲にとっても根を拡げるための安定したスペースが取れない、酸素欠乏がひどい、光が届かないなど、何らかの障害があったのかもしれません。

 

 

植物はおそらくとても正直に、その土地の環境状態について身をもって知らせてくれているのですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・現実にこういう状況に立ち会うと、思い入れの強い分、脱力感を含んだ悲観に囚われてしまいがちですが、先人たちも人為を超えた自然と相対しながら、己の卑小さをまざまざと実感させられながら、それでも生きるために何かしらの人為の改善を余儀なくされてきたのです。

 

 

食うために、生きるために、ひとはひとにとっての最善を講じてきました。

 

その努力があって、僕たちは充分な食糧を得ることができました。

 

 

そしてこれから先は、ひとにとっての最善のみならず、ひとと自然にとっての最善をめざす努力が必要とされてくるのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「 とうとう稲は起きた

 

    まったくのいきもの

 

    まったくの精巧な機械

 

    稲がそろって起きている

 

    雨のあいだまっていた穎(ほさき)は

 

    いま小さな白い花をひらめかし

 

    しずかな飴いろの日だまりの上を

 

    赤いとんぼもすうすう飛ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ああ

 

    南からまた西南から

 

    *和風は*河谷いっぱいに吹いて

 

    汗にまみれたシャツも乾けば

 

    熱した額やまぶたも冷える

 

    あらゆる辛苦の結果から

 

    七月稲をよく分けつし

 

    豊かな秋を示していたが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    この八月のなかばのうちに

 

    十二の赤い朝焼けと

 

    湿度九〇の六日を数え

 

    茎かん弱く徒長して

 

    穂も出し花もつけながら、

 

    ついに昨日のはげしい雨に

 

    次から次へと倒れてしまい

 

    うえには雨のしぶきのなかに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    とむらうようなつめたい霧が

 

    倒れた稲を被っていた

 

    ああ自然はあんまり意外で

 

    そしてあんまり正直だ

 

    百に一つなかろうと思った

 

    あんな恐ろしい開花期の雨は

 

    もうまっこうからやって来て

 

    力を入れたほどのものを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    みんなばたばた倒してしまった

 

    その代わりには

 

    十に一つも起きれまいと思っていたものが

 

    わずかの苗のつくり方のちがいや

 

    燐酸のやり方のために

 

    今日はそろってみな起きている

 

    森で埋めた地平線から

 

    青くかがやく死火山列から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    風はいちめん稲田をわたり

 

    また栗の葉をかがやかし

 

    いまさわやかな蒸散と

 

    透明な汁液(サップ)の移転

 

    ああわれわれは広野のなかに

 

    蘆(あし)とも見えるまで逞しくさやぐ稲田のなかに

 

    素朴なむかしの神々のように

 

    *べんぶしてもべんぶしても足りない 」

 

 

                    宮沢賢治 詩篇「和風は河谷いっぱいに吹く」

 

 

*和風(わふう)・・・おだやかな風。 暖かな風。

 

*河谷(かこく)・・・河流が形成したひろい谷。

 

*べんぶ(舞)・・・手を打って舞うこと。喜びをあらわすさま。

 

 

 

 

 

 

 

あきらめるな あきらめるな あきらめるな・・・と先人たちが愛をもって諭してくれる

 

 

 

 

 

賢治の学校・実習生  緑

 

 

 

 

 

 

 

 

・みんなで声に出してみよう!!今日の「ありがとう」・・・

 

 

             「 テシェキュレデリム 」

 

                  トルコ語

 

 

 

 

 


2008年10月14日 6:00

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