【風が邪魔した真昼の情事】
「ずっと前からお前のことが好きだったんだ。
ねえ、誰もいないし、良いだろう?」。
「うざいわね、ホントに・・・。
私は今忙しいんだから、あんたにかまっている暇なんかないの!」。
「そういう冷たいところがまた魅力なんだ。
オレだって、その気になればいっぱい蜜を集められるし・・・。
お前のためなら命だって惜しくないさ」。
「ちょっとちょっと...本当にうっとうしいわね。
私にはもう決まった人がいるの!。
あっちへ行ってよ」。

「そんなにオレのことが嫌いなのかい?
よ〜し、そんなら・・・・」。
「あれ〜〜だれか〜助けて〜」。

いつの間にか空はかき曇り、怪しい風も吹き出した。

二羽の黒アゲハは風にあおられてあっという間に視界の外。
空からは大粒の雨・・・。
忙しく羽ばたいて家路を急ぐ小鳥の鳴き声が山間にこだまする。
遠くの雲間から一筋の光りの矢が地面に突き刺さる。
さあ、来るぞ・・・、ドドドドドーン。