高坂節三さんのサマースクール開講します
5月の高坂先生を偲ぶ会の際に、先生の弟さんの節三さんから寄稿文をお預かりしました。遅くなりましたが、今回から数回にわけて、「サマースクール」と題して公開します。
第一回は、5月に長崎新聞に寄稿されたものです。
なお、8月15日(水)に放映予定のNHKの憲法問題を取り上げる番組(たぶん総合テレビ19時30分スタート)に出演されるそうです。
ぜひ、観てください。
※地域によってチャンネルや放映時間帯が違うこともあると思いますので、
各自、ご確認をお願いします。
憲法への疑問―長崎新聞寄稿 2007.5. (高坂 節三)
「日本人は、安全と水は無料で手に入ると思い込んでいる」、今から30年以上も前、日本人の特殊性を指摘した『日本人とユダヤ人』の著者、イザヤ・ベンタザン氏は、同じ著書の中で、日本人の憲法意識についてこう述べています。「日本人はいついかなる時代にも憲法を改正したことがない。・・・明治憲法は不磨の大典であったし、現憲法は無比の平和憲法であるから――ということは、これらは法律ではなく、日本教の宗教的律法、いわば一種の聖典であり・・・神聖不可侵だから絶対に手がつけられない。そこで実情にそぐわなくなると、さまざまな解釈をほどこして実情にあわせた。・・・そのやり方は、まさに同一集団内の争いといった様相を呈していて、外部のものには何が何だかわからなくなってしまう。文字通りの典型的な‘神学者の争い’である」と。
小さい時、私達は「嘘をつくと閻魔さんに舌を抜かれる」と教わりました。2001年、イラク戦争が起こった頃、ウォール・ストリート・ジャーナルは「日本は嘘の文化と対決しなければならない」という記事を書きました。イージス艦をはじめ多くの海上自衛艦をインド洋まで派遣し、多くの国の艦隊に物資を補給しても、「集団的自衛権の行使に当たらない」
「集団的自衛権は持っているが、行使できない」、自衛隊は「必要最小限の実力は持っているが、それは戦力では無い」「自衛隊は違憲であるが合法である」などいう世界の常識では「嘘」としか言えないことを云い続けていることが問題ではないでしょうか。
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」することによって、平和と安全が確保されるという意識の徹底は、若者の意識調査にもはっきりと現れています。「進んで国のために戦うか」という質問にイエスと答えた日本人の割合は17%で、約90%の中国、80%の韓国は別としてもアメリカ、オーストラリア、ロシアなどの70%弱に較べて極端に低いのです。過半数を下回る国は何処を探しても見当たりません。他方、国民の権利の要求と国家への依存度は非常に高く「国は国民の生活を保障する義務がある」と答えた若者は70%を越え、ケネディー大統領の「国民が国家に何を期待するかではなく、国民が国家に対し何ができるか」と問うたアメリカでは、若者の僅か27%だけが、イエスと答えたに過ぎず「自立」の意識が鮮明に出ているのです。
憲法とは正に「この国のかたち」のことであり、日本人がどういう「国のかたち」を希求するかということに戻ると思います。国家に全てを依存しながら、その国家を守ることすら忌避する集団で、はたして日本という国は生存し続けるのでしょうか。国民が最高法規である憲法に関心を示さないのも、延々と続いてきた‘神学者の争い’の所為ではないでしょうか。私は、早く神学論争を止めて、小中学生にも理解の出来る、時代の要請に合致した自主憲法に修正する必要があるように思います。