黄昏の海を渡って上海へ戻る〜中国出張雑記D
寧波での仕事を終え、夕方寧波を発って上海へ戻ります。
今回の出張の最大の目的であった寧波での仕事を終え、三たび海を渡って上海へ戻ります。寧波での仕事の最後は、市内から南へ2時間ほど行ったところだったので、上海までは4時間半の長旅です。
車に乗って1時間後、高速道路に入り、更に1時間、寧波の郊外を通り過ぎ、杭州へと向かいます。この辺りは、できたばかりの高速道路で、走っている車も少なく、もったいない感じです。
杭州湾跨海大橋に近づいたのは、7時半近くで既に人の顔も分からない明るさでした。黄昏とはまさにこんな時間帯のことを言うのだなと思いながら、ぼんやり窓の外を見ていました。
ふと気が付くと、辺りは民家が結構建っているのですが、どの家も真っ暗です。もちろん、街路灯などないのですが、家も電気がついていません。たまに、それこそ20軒に1軒ぐらいひとつの窓に薄っすらと灯りがともっています。
その時、気付きました。彼らはまだ電気をつけないのです。薄暗くなるとすぐに電気をつける日本人の感覚からすれば、真っ暗という表現になるのですが、彼らはまだ薄明るいとしてその中で生活しているのでしょう。
街中は別として、少し郊外に出るとまだ電気は結構大切なものなのでしょう。上海の中心は日本の繁華街と変わらないほど電気を煌々とともし、ネオンもギラギラですが、それは人を誘うためであって、個人の生活の中では電気はまだ高価なものといえそうです。テレビはここ数年でずいぶん普及したようですが、冷蔵庫はまだ普及途上のようですし、洗濯機などもどうなのでしょうか。まだまだどこの家にもあるとは思えません。
そういった意味では、中国ではまだ電気を大切に扱っている面が残っています。日本では先日もイベントとしてライトダウンが1晩されました。CO2削減を謳いながら大量のローソクを灯すという、何を考えているのか分からないイベントでしたが、それに比べれば、中国は電気への依存が遅れている分、無駄使いをしていないことになります。もちろん、これは環境保護を意図してやっているわけでなく、たんにできないからに過ぎません。結果としてそうなっているだけです。その彼らが、必死になって文明化を進めているわけですから、近い将来、日本と同じかもっと悪化するかもしれません。なにしろ人間が多いですから。
CO2削減問題にも難しい面があります。発展途上国から見れば、これは先進国のエゴです。自分たちだけよい思いをして、それで地球が汚れてきたから全世界規模で対策を考えましょう。確かにこれでは途上国から見れば虫のいい話です。同じ土俵に乗っていないといえます。
何が言いたくて書き始めたのか、分からなくなってきましたが、間違いなく言えるのは、私たちは「便利」という名の下に、地球環境を悪化させているということです。せめて無駄遣いだけはなくしたいものです。
気付けば、車は既にナトリウム灯が煌々と照らされた橋の上を走っていました。同じ中国でも別世界です。