「誰もが気軽に。楽しく乗れる。」をコンセプトに生まれたクルマ
GAZOO Racingではかねてより「クルマの味づくり」をテーマとし、数々のクルマに「味付け」を行ってきた。
アルテッツァ、レクサスIS250、そしてレクサスLF-A…。
国内外のレースを通じて熟成が進められてきた味づくりだが、これまでのクルマではその「味」を味わえるのは一部の人になる。
自分達の想い―「味」をなるべく多くの方に味わってもらいたい。
この思いが『iQ GRMN』として結実した。
「誰もが気軽に乗れる」ことを前提に、マイスター成瀬氏が選んだのはトヨタ『iQ』。
当時発売されたばかりのiQにはまだ情報も少なく、短いホイールベースでどういう「味付け」を行うのか?
その完成までの道程とは―――?
2008年10月初旬 車両チェック
2008年初旬、発表されたばかりのiQが工場に持ち込まれ、車両チェックが行なわれた。
デザインコンセプトが決定し、早くもエアロパーツが仮留めされた。
iQ GAZOOバージョンのデザインコンセプト
世界中で話題を呼んでいる新型車のパッケージ(サイジング)をよりアピールするために、サイコロをモチーフのベースに採用。毛筆で書いたようなテイストにすることで、躍動感、日本発信などの思いを発信。また、「ブラッシュ」特有のスピード感が、レースやサーキットシーンとのマッチングを高める。

2008年10月中旬 足回りの「味づくり」
iQへの味づけは、「足回り」から始った。
最初にスプリング&アブソーバーを調整、左右旋回時のバランスを調整してローダウンを実現した。
減衰力の変更により旋回力を調整し、さらにボディー剛性の補強が行なわれた。
マイスター成瀬氏によると、足回りのチューニングは最も重要で神経を使う部分―料理で言う「下味」。この段階次第で、後の味作りに大きな影響を及ぼすという。また、機能の充実に加えて、外見をドレスアップするエアロパーツにはモデリスタ製をチョイス。
外見については、フロントスポイラー、サイドガード、リアスポイラー、センタースポーツマフラー、16インチアルミホイールの6点が変更された。



2008年10月中旬 サーキットで実走、マイスターによる「味づけ」
足回り・外観の「味付け」を施された「iQ GAZOOバージョン」。早速サーキットでマイスター成瀬氏達によってその「味」がチェックされた。
車高ダウンとエアロパーツが装着されたことで、外見的にはかなりどっしりとして「カッコイイ」印象を与える。
あらためてiQの「味付け」を確かめたドライバーは、「このクルマの特徴である『小回り』に更に磨きがかかった。キビキビとした感じや楽しさが尖がってきたよ。」とコメントしている。



2008年10月15日 3次元仮想都市トヨタメタポリスで先行公開!
3Dの仮想世界『トヨタメタポリス』にて完成版・iQ GAZOOバージョンが先行公開された。
実際にトヨタメタポリス内で試乗を行うことが可能で、車内からの視点もリアルに再現されていた。
現在では入手できないが、一般公開が期待される。



2008年10月下旬 いよいよ外装塗装・内装への味づけ
足まわりの「味」が確認された後、iQは外板塗装のため再び工場に運ばれた。
デザインコンセプトにある「毛筆で書いたようなテイスト」は、初代GAZOO号・アルテッツァRS250のイメージを彷彿させ、サイコロをモチーフとしたデザインがiQに良く似合う。またローダウン化され、どっしりとしたボディが一層引き立つような外観にまとまっている。



さらに近日に行われるシェイクダウンに向けて、シートやベルトといった内装に味付けが施された。
後日、インパネやステアリングなども煮詰めていく。


2008年11月中旬 国際サーキットでシェイクダウン
成瀬氏によって施されてきた『味付け』が完了し、早速サーキットに持ち込んでのシェイクダウンを行った。ゲストとしてモータージャーナリストの熊倉重春氏を招き、実走チェックを行って意見をいただいた。
完成した車両を見た熊倉氏は「車高の低さが印象的ですね!以前言われていたように、足回りの味付けには相当力を入れたようですね!」とのコメント、成瀬氏は「単に車高を下げただけではありません。どんな道でも、誰が乗っても楽しめるクルマに仕上がりました。早速試して見てください」と、自信のコメントで応えていた。
実際に試乗した熊倉氏は「ボディがしっかりしているiQにはまだまだ楽しい展開が待ち受けている」と語った。
2008年11月23日 富士スピードウェイで一般初公開
トヨタのレースカーが一堂に集まるトヨタモータースポーツフェスティバル2008でついに一般公開された。
世界で戦うレース車両がそのパフォーマンスを披露する中、『iQ GAZOOバージョン』が市販版のiQを従えてデモランを行った。
富士スピードウェイのメインストレート上に中央に並べられたパイロンの間を機敏なスラローム走行で駆け抜けるパフォーマンスで、3万人の大観衆にその機敏な身のこなしを披露。
iQ GAZOOバージョンは、そのクイックでスポーティな身のこなしで『味づくり』の熟成を見せた。



2009年1月8日 チューニングカーの祭典にも登場
一般初公開から間もなく、世界最大級のチューニングカーのイベント・東京オートサロンにも登場した。
幕張メッセのGAZOO Racingブースでの『iQ GAZOOバージョン』は、レーシーなホイールへの変更など、低いフォルムと相まって見るものに『走り』への期待感を抱かせる味付けがなされていた。
また、コンパクトカーの人気が高い欧州のメディア関係者からは特に注目を浴びていた。



2009年5月21-24日 欧州での一般公開
コンパクトカーの本場・ドイツのニュルブルクリンクで行なわれた24時間耐久レース会場において、海外で初めて公開された。
レースに参戦したGAZOO Racingチームテントで公開されたiQは、レース開催期間中も大勢のクルマファンが集まった。
ドイツのクルマファンも興味深そうにiQ GAZOOバージョンに目を輝かせる中、熱心にiQを見ていた観衆からは「iQ GAZOOバージョンはカラーリングも個性的、スポーティな感じで運転してみたい。」という嬉しい声も寄せられた。
また、ニュルブルクの一般道は開発車両の評価コースとしても使われることも多く、iQ GAZOOバージョンも足回りをはじめとした最終的な味付けを行い『味』の熟成を進めた。



2009年8月20日 ついに誕生!
2008年からじっくりと熟成を進めてきたiQが、名前も新たに『iQ GRMN』として誕生。
作り手達の想いを込めた一台。その終わらない『味づくり』をあなたに―――。












