コンセプト

走りの味を追求したマイクロレーサー

iQをスーパーチャージャーとクロスミッションで武装した「iQ GRMN Supercharger」。
サーキットから市街地まで、どんな車速域でも楽しめる“走り”を実現するとともに、
アグレッシブなエクステリアだけでなく、インテリア、そして走りの面においてもプレミアム感をあわせ持つマイクロレーサー。

開発主要スタッフからのメッセージ

開発責任者 森 和生

世界で最も過酷なサーキットであるニュルブルクリンクへの挑戦で培った“走りの味”を具現化する「GRMN」。だからこそ走りを良くするのは、ある意味で当たり前であり、そこにはもちろん全力で取り組みました。さらに、ひと目見ただけで欲しいと思う、自分のガレージに置いただけでいとおしさがこみ上げてくる、そんなクルマに仕上げたいと考えました。
そのためには、エクステリアデザインにもこだわりました。ベースのiQにアフターマーケットにあるパーツを組み合わせて格好良く見せる、という議論ではなく、全体のバランスを考えながら、フルビークル、つまり1台の新型車を造るという思いでデザインしました。
それはエクステリアだけでなく、インテリアも、そして究極の走りの味づくりについても同じことが言えます。フルビークルを扱う自動車メーカーだから出来るクルマづくりとその完成度を徹底的に磨き上げていきました。

動力性能の面では、スーパーチャージャーを搭載してパワーアップしただけでなく、6速MTのギアボックスをこのクルマ専用に変更。ローギア化、クロスレシオ化し、このスーパーチャージャーが搭載されたエンジンの“うま味”を最大限引き出せるようにしています。

走りの味については、サーキット走行を意識し、フラットな路面で気持ち良く走れることを第一に考え、かといって市街地やワィンデイング走行においてもしっかりと路面を捉える上質な走りを兼ね備えました。この走りの味を実現するため、足回りの強化を図ったのはもちろんのこと、ボディ剛性の向上にも力を注ぎました。

さらには、強烈な横Gを受けながらも正確なドライビングができるよう、専用のスポーツシートをシートメーカーのトヨタ紡織株式会社と共同で新たに開発。このシートはフィット感とホールド性が高く、しかも長時間のドライブにも疲れにくくなっています。

今回のiQ GRMN Superchargerは、走って楽しく、見ているだけでもうれしくなり、所有する深い喜びにも浸れる一台です。iQ GRMN Superchargerと過ごす毎日がワクドキ感に満ちたものになることを、私たちは願ってやみません。

開発責任者 森 和生 トヨタ自動車株式会社 スポーツ車両統括部

イプサム、エスティマ、シエナなどミニバンの企画開発を長年担当してきた森チーフエンジニア。昔はカートレースで腕を磨いた根っからのクルマ好きで、現在はMR-2を所有。今年は再びカートレースに出場したいと話す。

走りの味付け担当 車両実験部 勝又 義信

先代にあたるiQ GRMN(2009年モデル)はトヨタ自動車のマスターテストドライバーだった成瀬 弘さんが生みの親。私はその薫陶を受けているので、iQ GRMNが持っていたハンドリングの良さを忘れるわけにはいきません。
今回のiQ GRMN Superchargerにも、シャープなレスポンス、そしてクルマとの小気味よい一体感を実現するため、さまざまな妥協をすべて排し、「サーキットで最高のパフォーマンスを発揮できる」チューニングを施しています。

そのうえで、今回は走りの上質さを持たせています。ワインディングロードを走っていて、バンプに乗り上げた瞬間、どこかに飛んでいってしまうようなサスペンションではいけない。足まわりに衝撃が加わったとき、ガチャガチャと安っぽい質感の跳ね方をしてもいけない。iQ GRMNの味を受け継ぎながら、それをより進化させ、上質なシャシーを目指しました。

クロスレシオ化した6速M/Tをフルに使って走りを楽しむ味付けにし、コーナリングでは、アクセル操作で旋回をコントロールできるように操縦性を高めています。

この味付けは、発売される直前まで、走りを楽しめるクルマに仕上げていきます。是非、楽しみにしていただければと思います。

エクステリア デザイン担当 デザイン本部 赤嶺  修造

走りの良さを表現することは勿論、そこに趣味の1台としての完成度も高めた上質なクルマに仕上げたいと考えました。コンセプトは走行性能とまったく同じです。サーキットを意識した走りの良さに、後付け感を感じさせない上質感を備えた懐の深さをデザインの面で表現することを目指しました。

具体的には、走りの良さ=タイヤが踏ん張っている様子をいかに表現するか。そこでフェンダーがタイヤを掴んで一体となった様子をイメージしながらスケッチを描きました。ここで注意したのが、立体的に造形したときにどの角度から見てもその狙いがイメージどおりに表現されているかどうか、という点でした。

サイズアップされたタイヤを効果的に表現する方法として、前後にブリスタータイプのオーバーフェンダーを採用。バンパー形状はエアフローの最適化による操縦安定性の向上を狙ってデザインの見直しも行っています。
変更部位はフロントバンパー、リアバンパー、フロントフェンダー、リアフェンダー、サイドマッドガード、ルーフスポイラーです。

私が子供の頃、あこがれたクルマ、トヨタ2000GTやトヨタスポーツ800など、その姿・形は講釈抜きに私をワクワクさせてくれました。そういったクルマと同じように、年令を問わずクルマ好きの方に喜んでいただければと思います。また、小さいクルマだからといって、子供っぽく見えない上質感を備えた、メーカーメイドに相応しい仕上がりとともにワクワクを実感していただければと思います。

ボディ成形担当 プレス生技部 井上 孝次

これまでのプレス成形技術ではエッジの効いたシャープな加工をしようとすると、ボディに割れやひずみがでてしまうことがあり、量産、品質の面で限界がありました。
一方、格好いい・上質感のあるボディラインを出すには、シャープなエッジのある造形が必要と考え、ボディに割れやひずみがでない新しい成形技術を研究・開発し、社内でこの技術を使ってくれるよう提案していました。そんな時、iQ GRMN Superchargerの企画があり、採用いただきました。
サイドのショルダーラインのシャープさ、Aピラーの厚み感、サイドのGRMNエンボス加工など上質感のあるボディラインはこの技術なしでは出来なかったものです。

お客様のニーズは個性化・多様化し、以前のように1車種で年間何十万と大量に売れるクルマが少なくなってきており、今後も多品種少量化へ進んでいくと思われます。このトレンドに適した生産システムを作り上げました。この技術はトヨタの新型モデルにも展開させていくと考えておりますが、その最初のクルマがiQ GRMN Superchargerになります。
是非、間近でご覧になっていただき、上質感を感じてもらえばと思います。

スポーツシート担当 トヨタ紡織株式会社 平井 慎司

サーキット走行で、常に正確なドライビングを可能にするためには、ドライバーの気をわずらわすことなく体全体を支えてくれるシートの存在が不可欠です。
加えて、上質なドライビングのために、長時間走り続けることのできる快適性や信頼性も求められます。縦横無尽に発生する強烈なGを確実に受け止め、快適かつ安心して操作に集中できるシートを造りたい…

この課題をクリアしたのは独自の“乗り心地理論”の追求と、“一体発泡成形”と呼ばれる製法の採用でした。激しいGの入力を、むしろ心地よさに変える“吸い付くようなフィット感”と、“コシのあるホールド性”、そして“運転操作を 邪魔しないサイドサポート形状”は、究極の機能美。まさに理想のスポーツシートといえる出来栄えです。
開発と製造は、トヨタ車のシートのほとんどを手がけるトヨタ紡織が担当しました。
信頼性や操作性、さらには安全性についても、万全の対策を施しています。