環境省は3日、2008年度版の「環境・循環型社会白書」を公表した。今回の白書では、低炭素社会と循環型社会の構築に向けた日本の取り組みを重点に掲げている。低炭素社会については、昨年12月の気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)で採択されたバリ行動計画を節目とした転換期の中で、日本としての取り組みや国際貢献などを提示。7月の北海道洞爺湖サミットに向けて国民の理解や関心を呼びかけるものとしている。また、循環型社会に対しては、今年3月に策定された第2次循環型社会形成推進基本計画に基づいた地域循環圏や低炭素・自然共生社会づくりとの連携などを強調している。
低炭素社会の構築に向けては経済社会や国民の暮らし、低炭素化の柱となる革新的技術、世界各国への普及策などについて幅広く取り上げた。低炭素社会を目指した世界の潮流では、環境ビジネス市場の拡大とともに、税制や排出量取引制度などの経済的手法の導入、検討が行われている点などを記載している。
日本ではバイオ燃料導入促進税制や自動車税のグリーン化といった温暖化対策のための税制が導入されており、欧州ではガソリンなどに課税して二酸化炭素排出を抑制する炭素税などが一部に導入されている例なども示した。また、京都議定書発効による京都クレジットの取引の本格化とEU域内排出量取引制度の創設で世界の排出量取引市場は拡大しており、日本でも導入妥当性を含めて検討が進められているとした。カーボンオフセットへの自主的な取り組みも世界で活発化し、日本でも指針策定などの普及が図られているなどとしている。
このほか日本が低炭素社会への転換を進めて国際社会を先導するためには、まず自らが京都議定書の6%削減目標を達成する必要があるとし、さらには「クールアース50」の長期目標達成に導く必要があるとした。また、中国やインドを始めとするアジアについては地域全体で取り組む必要があり、日本の公害克服経験を生かした支援などの重要性も示した。
一方、循環型社会の構築に対しては第2次循環型社会基本計画に沿って、地域循環圏や低炭素・自然共生社会づくりとの連携などについて示した。江戸時代の社会を振り返り、“もったいない”の考え方に即した暮らしぶりなどを紹介。日本における廃棄物問題などの経緯を踏まえた技術・システムを発信し、アジア循環圏の構築に向けていかに国際協力していくかなどを記述している。
[2008年6月4日 10時53分 日刊自動車新聞 ]