中古プリウスはなぜ高いのか―。ガリバーインターナショナルで市場動向調査などを行うガリバー自動車研究所(鈴木詳一所長)は、エコカーブームに乗って好調なプリウスに関するリポートを作成した。新型プリウスは、いまから発注しても納期は2010年5月下旬と、およそ8カ月待ちの状態。このような中で、今後の中古車価格はどうなるのかをまとめた。
同研究所では2代目プリウスの平均小売り価格推移を整理した。対象は06年式(走行2万キロメートル)と08年式(走行1万キロメートル)でHDDナビ付きのパールホワイト(新車時は約260万円)。これによるとガソリン価格が高騰した08年5月ごろから急上昇し、その後は高値で安定していたが、09年2月にホンダ「インサイト」が189万円からという低価格を発表してからは下落傾向に。それがエコカー減税などでハイブリッドカー(HV)が脚光を浴びるようになってからは再び上昇。09年8月は220万円前後となった。
このことから同研究所では、「現在は新車時の価格を大きく下回っており、一部の報道にあった『プリウスの中古車価格が新車を上回っている』というは、205万円という新型プリウスの最廉価版と比較しての話」とした。そのうえで、「新車の一部モデルよりも高い中古車はよくある」とし、需給バランスの影響を指摘する。
新型プリウスは一時9カ月待ちという状態があり、「すぐ乗りたい」という消費者ニーズが高かったことを挙げる。その典型的な例として1990年代初頭のスポーツカー、ホンダ「NSX」を提示。NSXは1千万円近い価格ながらも多くのファンから注目を集め、少量生産という事情も加わって納車まで1年とも2年ともいわれた。これに対して中古車は「即納」をセールスポイントに2倍以上の値を付けていた。近年でも日産「GT―R」が一時そうだった。プリウスは量産車で、スポーツカーとは単純に比較できないが、ニーズに対して生産が追いつかないときには往々にして起こりうるという。
今回の新型プリウスの場合、同研究所では「バッテリーの生産がカギを握っている」と分析。「新型プリウスの生産は国内向けと輸出を合わせて月間5万台。市場が冷え込んでいるなかで車体やエンジンは増産可能だが、バッテリーの生産量が限界に近いのでは」とみている。このため、今後も納期が短縮されなければ「中古車価格はいまの状態が続き、値崩れは起きないだろう」とした。
それは「減税や補助金があるにしても、すぐに乗れるなら多少割高でもいいという人が多い」ことを挙げ、逆にいえば、「それだけ魅力的なクルマ」とまとめている。
[2009年10月6日 15時42分 日刊自動車新聞 ]