米国など先進国市場の回復が遅れにより日本メーカーにとっても中国市場の存在感が増している。トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの2009年の中国販売実績は3社合計で前年比27・5%増の204万4千台だった。市場の伸びには届かなかったものの、欧米市場の厳しさが続く一方で中国の販売は大幅に増えた。10年は米国市場が1150万台前後にとどまると予想されるほか、欧州も新車購入インセンティブ終了後の反動減が予想されている。欧米メーカーも母国市場の不振を背景に中国を一段と重視しており、競争はますます激しくなると予想される。日本メーカーも生産能力の増強や販売網拡充を着々と進める。
現地で合弁事業を行なう日系3社の09年の中国新車販売は、日産が前年比39%増の75万5518台(小型トラックを含む)、トヨタが同21%増の70万9千台、ホンダが同22・5%増の57万9597台だった。
同年の中国市場は前年比46・2%増の1364万4800台。経済成長力の高さに加え、政府が新車購入支援として排気量1・6リットル以下の小型車の新車購入税を10%から5%に半減したことで大幅に需要が伸びた。減税対象車にはトヨタの「ヤリス」やホンダの「フィット」も含まれたが、需要がセダン志向だったためハッチバック車は期待ほど伸びなかった。
10年はトヨタが前年比12・8%増の80万台の販売を計画している。生産能力は78万台だが、稼働で需要増に対応する方針だ。日産は同12・5%増の85万台(小型トラック24万2千台を含む)を販売する。このうち日産ブランド車は60万台の計画で、現地の生産能力を10年後半に53万台から60万台に引き上げる。
販売網も拡充する。日産は09年末の407店舗から10年中に480店へ73店増やす計画。ホンダは09年3月末に670店だった店舗を09年末に730店へ増やした。トヨタは09年末で612店と08年11月時点から108店増え、今後も増設を図る。
中国市場は10年に前年比10%増の1500万台に達すると見られている。「15年には1700万台」(トヨタ自動車幹部)とも言われ、販売台数の世界一は続く見通しだ。ただ、一方で一人っ子政策による人口の頭打ちや高齢化も指摘されており、シェア獲得をめぐる先進国メーカー間の競争が激しさを増しそうだ。