国土交通省は、自動車の予防安全対策の一環で、横滑り防止装置(ESC)の装備を義務付ける。今後、実施時期の検討を本格化するが、2011年以降の見通し。ESCは、走行中の自動車が速度超過や急激な操舵(そうだ)により、姿勢制御不能となる前に各車輪の制動力を調整し安定性を保つ装置で、事故防止効果が期待されている。欧米では11年から義務付けられることもあり、予防安全効果と国際協調を考慮しスケジュールを明確にする。ただ、軽自動車はコストや搭載スペースに制約があるため、メーカーの対応に沿って、登録車に適用後、一定期間を設けた後に実施する。
ESCは、事故防止に有効な安全装置として欧州を中心に普及している。08年に国連の自動車基準関係機関で、小型車の世界統一基準(GTR)が採択されており、日本も国内基準に取り入れた。
日本では当初、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やエアバッグと同様、任意装備であっても自動車業界の競争の中で普及が進むと見られていたが、コスト制約や中・低速域中心の使用実態から、思うように普及しなかった経緯がある。ドイツでの装備率は80%以上なのに対し、日本は6%前後とされている。
また海外では、SUVやスポーツカーの横転事故が社会問題化した米国が先行しており、07年に義務化を決定、11年までに全車に適用する。欧州でも11年から新型車に、14年までに継続生産車を含む全車で義務付けの見通し。オーストラリアも11年から適用する。
同省では、装置の有効性や諸外国の状況を踏まえ、義務付け時期を検討しているが、主要国での義務付けが完了または本格化する11年以降、できるだけ早期に適用したい考え。ただ、日本独自の車種である軽自動車は、装置の搭載スペースやコストの制約が大きいため、メーカーの対応期間を考慮し、一定の猶予期間を検討する。
[2010年2月22日 15時21分 日刊自動車新聞 ]