三菱自動車は米国事業の立て直しに向け、2010年中をめどに現地生産車種や販売網強化などの方策を固める。米国事業は金融危機による需要の落ち込みもあり、年間を通じた生産台数が能力の3割程度に低迷している。販売網も弱まっており、生産・販売両面でテコ入れが必要になっている。益子修社長は「米国はいずれ1300万〜1500万台に戻る市場」とし、現地生産10万台への回復を急ぐ。同社は11年に電気自動車(EV)「i―MiEV(アイ・ミーブ)」を米国市場に投入する。EVの市場投入を契機にした販売網強化のほか、現地生産化も検討する。
米生産拠点(イリノイ州ノーマル)の生産能力は年間11万台だが、生産実績は07年が7万5千台、08年が4万3千台にとどまっている。09年は1〜11月実績で前年同期比70・7%減の1万6338台と大幅に減少。3〜5月に稼働停止した影響が大きいが、年後半も低水準の操業が続いた。
日本からの輸出車も含めた販売は、1〜11月累計で前年同期比46・5%減の4万9631台と、市場の減少幅を上回る水準で低迷している。販売拠点数は09年3月末時点で420店と、07年度の475店に比べ約1割減少。ピークだった03年度末の642店に比べ34%減少しており商品力向上とともに販売網強化が課題になっている。
米生産拠点では「ギャラン」「エクリプス」といった乗用車、大型SUV(スポーツユーティリティビークル)「エンデバー」を生産している。タイ、オランダの生産拠点は、アジアの景気回復や欧州各国の新車購入支援の効果により、生産のレベルが上昇している。一方、米国の稼働率は低水準のままで、需要の変化に対応した生産車種の入れ替えが必要になっている。
米国市場はガソリン高騰や経済危機を経て需要がコンパクト車にシフトしている。販売台数が見込めるコンパクト車の生産を検討し「最低でも年間10万台」(益子社長)規模への回復を図る。11年に市場投入するアイ・ミーブは、リチウムイオン電池の生産能力を見ながら現地生産化を検討する。日系メーカーでは、日産自動車が米国でEVを生産する計画を示している。
[2010年1月12日 20時43分 日刊自動車新聞 ]