日産自動車が4日、横浜市西区のグローバル本社で開いた中間決算会見における主な質疑応答は次の通り。
―期初予想は1千億円の営業赤字だが、増減益要因は
志賀俊之COO(最高執行責任者)「当初は2008年度と比べ為替差損で1700億円、台数・構成差の減益要因が2千億円。購買コストやその他の増益要因が1500億円。その他、リカバリープランの取り組みで約2570億円だった。減益が3700億円、増益が4300億円で、差し引きで赤字1千億円と発表した。今回の見通しで為替(差損)は1700億円から2千億円、台数・構成差が2千億円のマイナスから800億円のマイナスで済んだ。ここの部分が一番大きい。また、リース車両(残存リスク)の積み立て分の1300億円も大きい。リカバリープランの取り組みはほぼ予定通りで(損益に)入っている」
―中国販売の収益貢献度は
志賀COO「個別収益は開示していないが、現地合弁会社の利益の半分がセグメント別利益に入っている。上半期決算値の950億円のうち、その他が280億円。この中に中国の利益の50%が入っているということだ」
―電気自動車(EV)の予約を始めるが、発売の詳細は
志賀COO「具体的なマーケティングプランや販売方法は、それぞれの地域で予約注文を受け始める時期、あるいは価格の発表時に随時発表していきたい」
―北米の営業利益が増えたが理由は
志賀COO「リース車両残存価値リスクに対する引当金で昨年積んだ分と実際価格との差が利益になっている」
―Vプラットホーム車はいつ、米国に導入するのか
志賀COO「生産はまずタイでスタートし、インド、中国と続く。米州での生産も行う予定だが、現時点でどこで行うかは申し上げる状況ではない」
―国内生産台数が今期100万台ほどで、過剰感もあると思うが
志賀COO「前期の決算発表時に日本生産100万台、これがわれわれの今の固定費レベル、全体のキャパシティーからすると、正規雇用を維持する上でひとつの節目になっていることは確かだ。しかし、現時点で(再編の)大きな計画があるわけではない。この円高が継続すれば状況が厳しくなるので何らかの対策が必要になると思うが、現時点では特に大きな支障を抱えているわけではない」
―ルノーとのシナジー効果について
志賀COO「アライアンス効果はルノー・日産で1800億円のキャッシュフローを生み出すと発表した。ただ、具体的にPL(損益計算書)でどの程度かは数字として出しづらい。しかし、ご案内した数字は09年度に入っているし、5月末に公表したアライアンスの新組織の中で、従来はなかなか入り込めなかった部分まで踏み込んでシナジーの検討をしている。09年度、10年度という中で、大きな(シナジーの)数字が生まれてくると期待している」
―上半期は当初予想に比べどれぐらい上振れしたのか
志賀COO「マイナス1千億円の見通しを出した段階で、上下(半期)のご案内をしていないが、上半期は為替はほぼ同じ、台数はアメリカの新車買い替え補助が効いて年率換算で1060万台ぐらいで来て、この部分はプラスに効いた。中国も計画以上に頑張った。西欧についても、多くの国で政府の買い換え促進策があり計画を上回った。リース車両の残存価値の部分も、中古車価格がここまで戻ると想定していなかった」
―通期の純損益が400億円の赤字だが要因は
田川丈二執行役員「下半期はかなり円高に見ているが、台数が増えた。営業利益との差は1600億円だが、営業外の損失が1千億円、特別損失と税金で600億円。営業外は持ち分法損失、支払い金利、為替差損だ。特損は資産を廃却した時の損失や、関係会社の早期退職に伴う一時的な引当金、それから税金だ」
―米国、中国の全需見通しは
志賀COO「上半期が(年率換算で)1060万台、7〜8月に盛り上がった。9月が少し下がり、10月は1050万台。今回は少し堅めに見ており、1040万台、通期で1050万台と、当初見通しと変わらないレベルで見ている。米国は76万5千台。1050万台で7・3%のシェアになる。中国は全需の読み方が難しいが、われわれが71万2千台の販売を目指す前提の全需は1130万台だ」
―中国販売が好調な理由は
西川廣人副社長「全需が伸びていることに加え、われわれの商品投入がタイムリーだった。ティアナにシルフィ、リヴィナが好調だ。それから、内陸のいわゆる2級、3級都市のマーケットへ向けてネットワーク整備を早めに手掛けたことも大きい。これから12年にかけて、乗用車で10、LCV(小型商用車)で5車種を投入し、3級都市に合わせて300ぐらいのネットワークを張る。将来的なメーンマーケットとして10%のシェアを持つことは大前提で、そのための準備を進めている」
[2009年11月5日 19時53分 日刊自動車新聞 ]