トヨタと富士重工の、いわば“資本提携記念共同開発車”が「86(ハチロク)」と「BRZ」だ。共同とはいえ、どっちが何をやったかをついつい探りたくなるが、間違いないのは、デザインとパッケージングがトヨタ、エンジンは富士重工だ。
しかし、スバル水平対向初の直噴化には、トヨタの“D4”技術が使われている。生産は全量、富士重工で、ハチロクも群馬県太田の本社工場、元「サンバー」のラインがあった場所で作られる。
試乗したBRZは、「S」の6段MT。トルセンLSDや17インチホイールを標準装備する最上級グレードで、ハチロクだと「GT“リミテッド”」に相当する。両者とも若者に熱いラブコールを送るクルマだが、スタンスはあくまで“大人のスポーツカー”だ。上々の初期受注は一番高いグレードに人気が集中しているという。
スバルの試乗車だから、当然、新宿のスバルビルにある広報部でクルマを借り、地下駐車場から走りだす。すると「これはスバルだ!」と即座に感じた。実はつい数日前、試乗会で乗ったハチロクには今ひとつピンとこなかったのだ。
なぜなのか、理由をずっと考えていたのが、そのときわかったのである。エンジンの“芸風”がトヨタ的ではなかったのだ。
ロータス・エリーゼの魂は、あの軽量アルミフレームに宿るが、ハチロク兄弟の魂はエンジンに宿っている。乗ってみると、エンジンがいちばん支配的なクルマだということがわかる。とすると、この新型FRスポーツカーはスバルとして乗ったほうがわかりやすいし、しっくりくる。