「最近のクルマは、あっちこっちコンピューターが埋めてあるから、なかなかエンジン、イジれないみたいよ」
−−チューナーの人たちは商売あがったりですね。
「そうでもない。シコシコ、ポート磨いているより、エアロパーツで一発当てた方が、ずっともうかるって……」
そんな会話を“事情通”としたのは、自分が草レースに夢中になっていたころだから、もう10年以上前のこと。時の過ぎ行く速さといったら、驚くばかり。「トヨタ・プリウスSツーリングセレクションG's」を運転しながら、ちょっと“懐か・寂しい”気分になった。
「プリウスG's」は、その名の通り、GAZOO Racingが手がけたスポーツコンバージョンモデル。自動車メーカー自ら「走り」の味付けをして、「クルマの楽しさ」を提供するという、スペシャルグレードである。若者に限らず、世間のクルマ離れをなんとか押しとどめようと、大トヨタが腰を上げた試みだ。プリウスG'sは、「ノア/ヴォクシー」、「ヴィッツ」に続く、「G SPORTS(通称G's)」モデル、第3弾となる。
今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝く(予想)「トヨタ・アクア」の、プレス試乗会場の一角で、黒いスピンドルグリル風の口を開け、つり上がった目で参加者をにらんでいたのが、「CONTROL AS YOU LIKE 〜意のままに操る喜びを〜」なプリウスG'sだった。トヨタのエンブレムが外された、ツルン!としたノーズがかわいらしい。
「THS」ことトヨタハイブリッドシステム普及の役割を、弟分アクアに任せられて肩の荷が下りたか、プリウスの価格が若干上がった。ベーシックな「L」は205万円から217万円、中堅の「S」は220万円から232万円、上級版「G」が245万円から252万円といった具合。プリウスSツーリングセレクションG'sのベースとなるSツーリングセレクションは、7万円アップで“素”の「G」と同じ252万円。G'sは、エクストラ32万円で284万円となる。