選考のポイント
■道具としてのクルマを自己否定!?
“クルマ型ミュージック・プレーヤー”なる意表をついたキャッチフレーズと共に2005年も残り数日と押し迫ったタイミングで登場したのが、2代目「bB」。基本的なボディ・シルエットは、従来型同様にメリハリある2BOXのスタイルである。
が、そこに与えられたフロントマスクはまるで能面を貼り付けた(?)ようだし、リアバンパー直上と低い位置に設けられたリアランプもちょっと不気味(!?)なデザインだ。
こうしたディテール・デザインに、あえて機能性とは無縁の“特殊な記号性”を持たせたのは、今度のモデルが従来型以上に「若い男性」へとターゲット・ユーザーを絞り込んだゆえ。冒頭のキャッチコピーも含め、「もはや道具としての自動車なんて、機能的には動けば何でもイイ」という感情を持つとされる、こうした層の人々をもう一度振り返らせようと、トヨタ自らがクルマである事を自己否定する“禁じ手”の販売戦略に挑んだのがこのモデルとも言えそうだ。
ホイールベースは40mm延長されたものの、前後のオーバーハングが大幅に短くなったので全長は短縮。(旧型)ヴィッツを骨格のベースとしていた従来型に対し、今回のベース車両はトヨタ・ラインナップの末っ子である「パッソ」がベースである。それゆえ、実はこのクルマの主たる開発もパッソ同様に、“子会社”であるダイハツが担当した。最小回転半径が従来型の5.5mから4.9mへと大きく改善されたのもベース車両の変更によるもので、大きくなった現行ヴィッツをベースにしていたら、こうはいかなかったはずだ。
ミュージックプレーヤーを謳う新型bBは、インテリアにも特徴がある。ベルトラインの下に隠れるほど低い位置でリクライニングが可能な“まったりシート”もひとつのセールスポイントであるが、目立った売り物は、サウンドレベルに応じてリングが点滅する例のスピーカーと、アームレストに内蔵のiPod型(?)オーディオ・コントローラーだ。
といっても、9スピーカーやアームレストコントローラーが備わる「Qバージョン」ではないモデルは、いきなりオーディオレスになってしまう。それで“ミュージック・プレーヤー”を名乗るとは、ちょっと過大広告ではないか??