難関!? タクシー運転手になるための地理試験を受けてみた

カーナビを使わずに、近道や裏道を通って目的地までスムーズに運転してくれるタクシードライバーに出会うと気持ち良いですよね。調べてみると、東京特定指定地域内(特別区、武蔵野市及び三鷹市)でタクシーの運転者になるためには、「地理試験」に合格しなければいけないとのこと。「地理試験」とは一体どんな試験なのでしょうか? 一般受験もあるというので、挑戦してみました。

道路や地名、公園や名所などを出題

地理試験が行われるのは、公益財団法人東京タクシーセンター。一般の試験日は月曜、火曜、金曜の週3回あり(休日、祝日および12月29日から12月31日までと1月2日、1月3日を除く)、事前予約が必要。試験手数料は3,400円です。

問題は、道路および地名、著名な建造物、公園、名所、旧跡、鉄道の駅の所在など、東京特定指定地域内でタクシー業務を行う際に必要な地理に関する内容が40問出題されます。32問以上正解(正解率80%)すれば合格です。

※2015年10月1日より、「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」に変更。「法令・安全・接遇」と「東京地域に係る地理」の2科目受験しなければなりません。詳細は、東京タクシーセンターに問合せを

東京メトロ・東西線 南砂町駅から徒歩約1分のところにある、公益財団法人東京タクシーセンター

試験時間は1時間!

当日の受験者は約20名。基本的にはタクシードライバーを目指している人が受ける試験ということもあり、40代以上の男性がほとんど。女性は私の他にもう1人だけでした。​

久々の「試験」という響きに、なんとなく緊張……

受験票・解答用紙の必要事項の記入、試験手数料を支払いした後、問題用紙と表面が幹線道路・交差点図、裏面が施設関連図になっている地図が配布されます。試験時間は1時間。解答用紙はマークシート方式なので、運が良ければ合格できるかも……という淡い期待を胸に、いよいよスタートです。

こちらが受験票。合格するまで同じ受験票を使うので捨てないようにと念押しされる

気になる試験問題は?

さて、気になるのは試験問題ですよね。今回わたしが挑戦したものとは違うのですが、公開されている過去問題を一部紹介します。解答は本文最後に記載しますので、自分の力でわかるかどうか、ぜひチャレンジを。それでは、どうぞ!​​​

<問題1>
次の首都高速出入り口がある首都高速線を解答群の中から選びなさい
【首都高速出入口】
(1)中台 (2)用賀 (3)葛西 (4)清新町 (5)霞ヶ関
【解答群(首都高速線)】
ア 湾岸線 イ 3号渋谷線 ウ 都心環状線 エ 4号新宿線 オ 中央環状線 カ 7号小松川線 キ 5号池袋線

<問題2>
次の『乗車地』から『降車地』までの、最短経路で経由する交差点名を解答群の中から順番に選びなさい
『乗車地:駒沢オリンピック公園』→(1)→(2)→(3)→五本木→(4)→(5)→『降車地:日比谷線恵比寿駅』
【解答群(交差点名)】
ア 祐天寺二丁目 イ 鎗ヶ崎 ウ 柿の木坂 エ 都立大駅前 オ 祐天寺前 カ 碑文谷 キ 東京医療センター前


いかがでしたか? 正解を確認してみてくださいね!

合格率は40~50%の難関!

試験結果は即日発表されます。ドキドキしながら結果を聞くと、残念ながら、不合格……。

​ペーパードライバーとはいえ、都内に生まれ育ち、助手席やタクシーには良く乗る方なので、もしかしたら……と思っていたのですが。合格率は40~50%で、この日合格したのは20名中9名。過去に出題されている幹線道路や交差点、施設名をすべて暗記するなど、対策を行わないとなかなか合格できないそうです。

​タクシードライバーを目指す人にとっても難関の地理試験。プロフェッショナルになるためには、こうした努力が必要なんですね。

​過去の試験問題が東京タクシーセンターのウェブサイトに紹介されているので、気になる人はチェックしてみては?

▼地理試験 過去問題

https://www.tokyo-tc.or.jp/driver/geography.html

【問題1・解答】
(1)キ (2)イ (3)ア (4)オ (5)ウ


【問題2・解答】
(1)キ (2)ウ (3)ア (4)オ (5)イ

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(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力