最近よく聞く「サポカー」「サポカーS」とは、いったい何?

最近、ニュースなどで、少しずつ見たり、耳にすることが増えているのが「サポカー」だ。これは、「セーフティ・サポートカー」を短くしたもので、文字通りに安全運転をサポートするクルマを意味する。そして、より高齢者向けにおすすめのクルマが「セーフティ・サポートカーS」で、略称は「サポカーS」。「S」と付くのが高齢者におすすめと覚えておこう。

この「サポカー」と「サポカーS」は、経済産業省と国土交通省が推進する高齢運転者による交通事故対策の一環として、2017年春に愛称が決定し、6月末にロゴが決まったばかり。まさに生まれたばかりの名称だ。

内容は「セーフティ・サポートカー」/「サポカー」が、自動ブレーキを搭載した車両のこと。そして「セーフティ・サポートカーS」/「サポカーS」は、自動ブレーキに加えて、ペダル踏み間違い時の加速抑制装置付きが搭載されたもの。高齢者に多いという、アクセルとブレーキのペダルの踏み間違いを防ぐ機能が備わっているというわけだ。構造でいえば、大きく「セーフティ・サポートカー」/「サポカー」があり、その中に「S」の付く「セーフティ・サポートカーS」/「サポカーS」が存在するという形となる。

また、「セーフティ・サポートカーS」/「サポカーS」の中にも区分がある。それが「ベーシック」「ベーシック+」「ワイド」の3種類。まさに入れ子のようなもの。そして、その詳細な内容は以下の通りとなる。

●「ベーシック」
対車両の低速(作動速度域が30㎞/h以下)自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置
●「ベーシック+」
対車両の自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置
●「ワイド」
車両だけでなく対歩行者でも作動する自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報(車線維持支援も可)、先進ライト(自動切替型前照灯、自動防眩型前照灯または配光可変型前照灯など)

ちなみに、「セーフティ・サポートカーS」/「サポカーS」は「安全運転サポート車」(ver.1.0)とも呼ばれる。名前のとおり、その内容はアップグレードすることが予定されている。気を付けたいのは、こうした区分は性能を評価するものではないこと。あくまでも、どんな装置が搭載されているのかを表すものだ。

こうした「サポカー」/「サポカーS」の誕生のきっかけは、昨年(2016年)11月に行われた「高齢運転者による交通事故防止対策に関する関係閣僚会議」だ。ここで、総理大臣から関係省庁をあげて一連の事故を踏まえた対策を早急に講じるように指示があった。そこから、わずか半年もたたずに「サポカー」/「サポカーS」が誕生。そのスピード感は驚くばかりだ。

(鈴木ケンイチ+ノオト)

[ガズー編集部]

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