「コミックマーケット93」で見つけたカーマニア必見の同人誌
みなさんは「コミケ」というイベントをご存知でしょうか? 正式名称を「コミックマーケット」といい、毎年8月中旬と12月末(それぞれを「夏コミ」「冬コミ」と呼ぶ)に東京ビッグサイトで開催される、世界最大の同人誌即売会です。「同人誌」というのは、あるジャンルのみに焦点を当てた非常に少ない部数で発行される本を指し、出版社ではなく、作者(=サークル)が資金を出して自分たちで発行します。
コミケは、一般的に人気漫画やアニメなどを題材にした同人誌と、その登場キャラクターになりきる「コスプレイヤー」が集まる場として知られています。もちろん、その認識は間違いではありませんが、それはここ20~30年で急速にアニメ・漫画文化が発展したことによるもの。もともとは、文学や評論文を売り出す場で、今も学術的・資料的価値のある同人誌も数多く、販売されています。
意外に思われるかもしれませんが、クルマ関連の同人誌もたくさんあります。前置きが少し長くなりましたが、今回は2017年12月29日(金)~31日(日)に開催された「コミックマーケット93(通称C93)」で見つけたクルマ関連の同人誌をご紹介します。
撮ってみたくなる! おしゃれなミニカー写真集
最初に紹介するのは、サークル「ミニカーの写真(仮)」が発行した『トイ・ミニカー』と『MG~miniCAR GRAPHIC』。その名の通り、ミニカーを使った写真集です。
新刊の『トイ・ミニカー』は、なにげない日常を背景に撮影したミニカー写真と、「トイカメラ」を使った不思議なミニカー写真作品を掲載しています。どこかで見たことがあるような表紙の『MG~miniCAR GRAPHIC』は、オシャレなミニカー写真とともに解説(クルマについてやミニカーメーカーの歴史やクオリティについて)が書かれています。
こうした写真集を見ると、「どうやって撮影したんだろう?」と思ってしまいますが、そんな方のためにミニカー写真の撮り方をまとめた小冊子も用意されていました。
ロシアで過ごす日本車の「第2の人生(車生)」を写した写真集
次に紹介するのは、サークル「INPINE」が発行した『極東ロシア #異世界転生編』です。
この本は、日本から近いものの文化的・政治的な面で遠い土地である、ロシア連邦サハリン島の街、ユジノサハリンスク市で走る日本車たちを捉えた一冊です。サブタイトルの「#異世界転生編」とは、サハリン島が日本から輸出された中古車の多く走る新天地(ロシア全体でも日本車は人気高い)であることから付けられたもの。
日本では見かけることが少なくなった車種が、今もロシアでは当たり前のように走っているという事実がこの本でわかります。
12年の歳月をかけて行われたアバルトのレストア記
サークル「第11航空廠」が発行した『ABARTH Record Monza Book』は、作者が2004年に手に入れたコンパクトスポーツクラシックカー「フィアット・アバルト・レコルトモンツァ」の車検・ナンバー取得まで、12年間の記録を綴った1冊です。
ただのレストア記ではなく、このレコルトモンツァのルーツをさまざまな専門書を辿ってまとめています。クラシックカーのレストア&ナンバー取得を考えている方にオススメしたい本であると同時に、レコルトモンツァの貴重な資料としても価値ある1冊です。
プロ整備士のサークルが発行するカスタムマガジン
メンバーがカーショップの整備士で構成されている「RSN」は、『RSNMagazine』という本を発行しています。この本は、メンバーによる整備・カスタムの記録です。
新刊では、メンバーが知り合いから入手したというピュアスポーツカー、ホンダS2000をターボ+ワイドボディ化によって、富士スピードウェイ専用レースマシンに仕立て上げていく記録がメインとなっています。このS2000は、今年中には走行する姿が見られるかもしれません。
既刊本には、サークルの「元」となったショップが新たに導入した積載車(三菱キャンター)について細かく解説されたものもありました。
チーム関係者視点で語られる「スーパー耐久」レポート
最後に紹介するのは、サークル「やっちゃばっ!」が発行している『MAZDA DIESEL SKYACTIV-D RACING 2017 Super Taikyu ST-3 & 5』です。
2017年のスーパー耐久シリーズにST-5クラスの「#37 DXL Aragosta NOPRO DEMIO SKY-D」、とST-3クラス「#17 DXL Aragosta NOPRO AXELA SKY-D」、2台のディーゼルマシンで参戦した「Team NOPRO」の関係者によるシーズンレポートです。躍動感ある写真とともに、関係者目線でレポートが書かれています。
クルマ関連の同人誌は、コミケ全体では1%も満たない“ニッチ”なジャンルです。でも、そのニッチでマニアックなところがコミケの真骨頂ともいえます。次回の「コミックマーケット94」は8月のお盆休み期間です。探し求めていた本と巡り会えるだけではなく、クルマ仲間が増えるかもしれませんよ!
(取材・文・写真:クリハラジュン、編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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