トヨタ ヴォクシー/ノアのライバル車 日産セレナ、ホンダステップワゴン比較レポート

切磋琢磨がもたらすもの

正直“待望”という言葉がこれほどピッタリくるフルモデルチェンジも久しぶりだ。
日本独自の市場を創造し拡大を続けてきたコンパクトミニキャブワゴン、わかりやすく言えばトール系のMクラスミニバン。
その代表車種ともいえる「トヨタ・ヴォクシー/ノア」が約6年半ぶりにフルモデルチェンジした。

初代のR60型が登場したのが2001年、2代目のR70型にバトンを渡したのは2007年と、それぞれが国産車としては長期間にわたり販売されていた、いわばメーカーにとっては“親孝行”なモデルである。

とはいえ、2代目のR70型は決して楽な一生を終えたわけではない。最近のトヨタ車に数多く採用されている“バルブマチック”機構や3ナンバーのエアロボディを持つグレードの展開など魅力的なモデルではあったが、そこをライバルたちが見逃すわけがない。

その急先鋒(せんぽう)ともいえるのが「ホンダ・ステップワゴン」と「日産セレナ」である。
現行モデルはステップワゴンが2009年10月、セレナが2010年11月、ライフサイクルとしてはR70型のマイナーチェンジ以降に発売したモデルということもあり、当時としては徹底的に研究され尽くした感があった。

結果としてセレナは2011年から2013年までこのクラスで3年連続ナンバーワンを達成している(ちなみにその前年のナンバーワンはステップワゴン)。

しかしR70型の名誉のためにも言っておくが、販売末期の2013年でもヴォクシーが4万1918台/年で16位、ノアが3万2306台/年で22位(いずれも自販連のデータ)とベスト30をキープしている。これだけでも両車が販売面で最後まで成功した証明と言える。

そこで今回、ミニバンに求められる居住性や快適性、さらに所有欲をどれだけ満たすかなどを指標に、フルモデルチェンジを行ったヴォクシー/ノアとライバルたちをじっくり乗り比べてみた。

トヨタ ヴォクシー VS ホンダ ステップワゴン編
トヨタ ノア VS 日産 セレナ編

トヨタ ヴォクシー VS ホンダ ステップワゴン

  • 3代目となる新型「ヴォクシー」は、2014年1月にデビュー。6年半ぶりのフルモデルチェンジとなった。
  • エアロパーツを装着するヴォクシーZSは、ボディが拡幅されているため“3ナンバー扱い”となる。
  • 現行型の「ホンダ・ステップワゴン」は、2009年10月にデビュー。2012年4月にはマイナーチェンジが実施され、デザインおよび仕様が変更された。
  • ​「ステップワゴン スパーダZ」のリヤビュー。
    エアロフォルムのバンパーやテールゲートスポイラーは、ノーマルタイプにはない専用装備。

トヨタ ノア VS 日産 セレナ

  • 「ヴォクシー」の兄弟車「ノア」は、堂々感あふれるスタイリングがポイント。
  • リヤビュー。抑揚のあるバックドアに力強さが表現されている。
  • 4代目となる現行型「日産セレナ」。
    2010年11月にデビューした。
  • シンプルなラインで構成されるエクステリアは、「家族を包み込むカプセル」をコンセプトにデザインされている。

(text:高山正寛/photo:田村 弥)