8代目コロナ FFシリーズ(1983) トヨタが未来に挑戦したクルマたち

トヨタの車両開発史上、「お客様の期待を超えたクルマづくり」に挑み、誕生した個性的なデザインや機能を持ったクルマたち。1970年代から1990年までの中から、そんなクルマを紹介します。

大転換期の主力モデル

1983年にデビューしたカムリ/ビスタに続いて、エンジン横置き方式のFF(前輪駆動)を採用したモデル。1957年に初代が誕生したコロナは、この時点で四半世紀以上の歴史を持つ主力車種の一つで、ちょうど1年前に7代目へと世代交代したばかりだった。

その7代目の駆動方式は、コンベンショナルなFR(後輪駆動)。つまりFF化に際して、一気に切り替えるのではなく、既存のFRモデルと併売するという方法を採った。最初にリリースされたFFモデルは、新しいライフスタイルを目指した5ドアハッチバックのみ。

このクラスでは珍しいが、実はコロナと5ドアの縁は古く、「アローライン」と呼ばれた3代目の時代、1965年には早くも「5ドアセダン」の名で設定されていた歴史がある。

長い歴史を持つコロナは、歴代乗り継がれるユーザーも多い。そのユーザーのためにFRモデルを残し、新規のユーザーによりアピールするFF車を打ち出すという意欲的なラインナップであった。

ボディ中央部の全周に幅広のプロテクターモールを付けるなど、安心感もアピールしたモデルだった。

コロナFFシリーズが誕生した年 1983年

・トヨタとGMが合弁生産の覚書調印
・日産、米国(テネシー)での自動車生産を開始

コロナFF 4ドアセダン1800EXサルーンADの価格 161.1万円(東京)
当時の大卒の初任給 約13.2万円

[ガズー編集部]