例年通り荒れた鈴鹿千キロ!夏の終わりにあれこれおさらい ~SUPER GT第6戦レポート~

SUPER GT第6戦、47回目の伝統の鈴鹿千キロが終わりました。数々の名勝負も生み出したこの1000㎞のレースも、今回で最後となります。来年からは、大会数は継続で、10時間レースとして生まれ変わるようですね。新しいシリーズにも期待しております!

さて、自分の想い出をちょっとだけ振り返ると、2007年当時トムススタッフとしてお仕事させていただいておりましたが、GT500クラスで36号車が優勝した事でしょうか。ドライバーは、アンドレ・ロッテラー、脇阪寿一。サードドライバーに、実際にレースは走りませんでしたがトムスF3から参戦していた、オリバー・ジャービスの3選手でエントリーしていました。雨があがったか降り始めたか…。タイヤ選択に悩むコンディションとなった最後のスティント。確かスリックにしてトップだった8号車を抜いて優勝したような気がしますね。最後の1時間が以上に萌えたのを記憶しております。撤収作業を素早く終え、祝勝会。なかなかその日の晩にということは出来ないのですが、懐かしいです。LEXUS SC430 宝山号だったなと。

この千キロを勝ち抜くことは、容易ではありませんよね。長丁場とは言え、ずっとスプリントレース。気の休まる暇もありません。上記の時期は、今よりも若干開催時期が早く、いつも暑かったのを記憶しています。近年は、下旬に移行したこともありそんなこともあまりなかったのですが、今回は金曜の設営日から酷暑。それはそれは暑く、真夏の3連戦最後のレースも熱中症を心配しながらとなりました。

今季は、LEXUS勢がシーズンをリードとしている印象がありますが、3ポイント差で23号車が来ていることが怖いと前回のレポートに書きました。やっぱりでしたね!さすがとしか言いようがありません。第6戦終わってポイントリーダーです。首位を明け渡したレクサス勢、ランキング2位は、11ポイント差で6号車と36号車が並びました。

シリーズ序盤レクサスは4連勝しましたが、星を分け合うことは危険だと考えていました。ランキング上位にいるクルマは、今般の鈴鹿を80キロを超えるウェイトハンデで戦いますから、いくらレースに強いレクサスとは言え圧勝とはいかないことも想像がつきましたよね。ここで着実にポイントを積んでいくしかないと。ウェイトが軽いホンダ、日産勢、みんな狙って来ますから、予選から鈴鹿は熱かった…。

その予選ですが、朝から土砂降りに見舞われましたが、みるみる天候が回復し湿気も消え青空が広がりました。予選のトピックとしては、F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトン選手が、16号車のサードドライバーとして参戦しましたが、予選Q1をアタックしたことでしょうか。事前テストの段階から、沢山走りドライバー交代の練習も行いガチな体制となってましたが、しっかりアタックしてくれ、日本のファンを喜ばせてくれました。惜しくもQ2進出はなりませんでしたが、いろんな夢が膨らみましたね。注目ポイントは、来季参戦するの?というところだと思います。今回は、前夜祭も盛り上げてくださいましたし、レースウィークに同じ内容のインタビューを沢山受けたと思われますが、ずっと笑顔で答えていらして素晴らしいなと思いました。さすが別格。そして、やっぱり走る姿を見たいと思いました。

予選は、GT500クラス 24号車(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)がポール、19号車(WedsSport ADVAN LC500)が2番手に入り、2台共にコースレコードを樹立しました。GT300クラスは、25号車(VivaC 86 MC)山下健太選手がポールと、ヨコハマタイヤさんお見事な予選でした。

夏の終わりの日差しが容赦なく照り付ける決勝の朝、スタンド席完売、ピットウォーク券も売り切れと、たくさんの方がサーキットへお見えになっているのは、人の往来で感じましたね。F1と見まごうほどと言ったら大げさでしょうか、予選日27,500人、決勝日45,000人、総入場者数:72,500人の来場がありました。日曜日、本当に人いっぱいでしたね。

レースの方は荒れに荒れ、バトルもあちこちで、そしてペナルティも…。ポイントリーダーとなった23号車にもレクサス勢にも出ました。中でも、LEXUS勢同士の攻防は、ハラハラ。今季は特にクルマも速いし…、毎レース同士討ちでポイントを落としたりペナルティも出たりと、なんとももったいないですね。ライバルを倒さないといけないのに。アグレッシブで元気だとも思いますが、クリーンに行きたいところ。ペナルティが出ては全てが台無しです…。

レースは長丁場ということもあり、スタートは無理をせず…。そして序盤、レースを支配したのは17号車でした。しかし、セーフティーカーが導入されたことでマージンが消え、そこへタイヤのバーストが襲いました。速さをみせながらも、今季はなかなか結果に結びつかないですが、これはほんと残念でしたね。

レースも落ち着いた終盤、首位に立っていたのは64号車。そして2位に、ペナルティを受けたはずの23号車がいました。ものすごい追い上げです。3位に、1号車平手晃平選手がいました。ウェイトハンデが重いながらも、100号車からの猛追を凌いでいました。頑張ってるなあと思っていたのですが、100号車の山本尚貴選手の揺さぶりもさすがプロです。ドリンクが壊れていて、レース中に脱水症状となったそうですが、よくぞあの集中力を保ちました。結果、平手選手のミスを誘いパス。その後は、ぐんぐん引き離していきましたね。1号車の平手選手、最終的にブレーキを使い果たしたのかスポンジバリアに突っ込むという結末。ゴールまであと3周という…。完走扱いですが、13位という結果でした。

その頃、GT300クラスもトップを走る25号車松井孝允選手に異変が。最後のスティントで、みるみるペースダウンしました。そこへ、65号車が猛チャージ。結果、逆転しトップチェッカー。25号車は、コースオフし横転。残り4周の悲劇にびっくりしましたが、ドライバーは無事とのことで安堵。クルマはだいぶ傷んでしまったようですが、チームのSNSを見たらしっかり復活していました。千キロへ、GT300クラスポイントリーダーで臨んだ4号車にも、終盤タイヤがバーストする悲劇が。チェッカーを受けることの難しさを感じる瞬間でしたが、ランキングの方は今般優勝の65号車に続き、2ポイント差で2位につけています。AMGメルセデスワンツー、今季好調です。というか、同じクルマの戦いは、タイヤが違うこともあり、さらに熱い。こちらも楽しみです!

とにかく、終わってしまったことが残念。花火もゆっくり見られる環境ではないのですが、最後を味わうことなく仕事に追われてさみしかったですね。仕方ないのですが。
SNSにあがっているファンの方の写真などみながら、想いに浸りつつ、シリーズの行方を見守りたいと思います。

大盛況だった前夜祭は、レポートとギャラリーをアップしますので、お楽しみに!それでは、また!

(写真 折原弘之、テキスト 大谷幸子)

[ガズー編集部]