【PHEVオーナーに聞いた】 「購入満足度は?」

トヨタの新型『プリウスPHV』をはじめ、国内外のプラグインハイブリッド(PHEV)ラインアップが充実、次世代の環境対応車としての需要が期待されている。自宅で充電できることやCO2を排出しないEV走行が可能であるなど様々なメリットが挙げられるが、実際はどうなのか。

PHEVの今と未来を読み解いていく本特集。今回は、実際にPHEVを所有するオーナーに対し、PHEVがある生活のメリットや満足度など、その実態を聞いた。調査の対象は、国内でトヨタ プリウスPHV(現行型)と三菱『アウトランダーPHEV』を所有するオーナー209名(プリウスPHV:94サンプル、アウトランダーPHEV:115サンプル)で、インターネットによるアンケートを実施。

全4回でお送りする第1回目は、「PHEVの購入満足度」。オーナーの生の声を中心に、調査結果を紹介する。

「ガソリン代の節約」が満足度につながっている

​​​​総合満足度

​​​​​​ガソリン給油頻度

購入理由(MA)

​​調査結果によると、いずれのユーザーも保有車に対し、85%以上(満足度計)が満足しているという結果だった。特に燃料代に関してのコメントが多く、ストレートに「燃費が良い」のほかに、「ガソリン代が節約できる」、「ガソリン費用がかからない」などのコメントが散見される。

更に、「ガソリン代も激減したが、電気代は急に増えた感じはしない」など、電気料金が負担にならないことが満足度に影響しているようだ。

また、この結果、「ガソリンを入れに行く手間が省ける」などガソリンスタンドに行く回数が減ったことも大きなメリットと感じられている。

これらの背景には購入理由で“燃費がよい”が非常に高い(67.9%)ことから、この期待が裏切られなかったということである。

「走りの楽しさ」は期待以上?

運転頻度

帰宅後の充電状況

​主用途での平均走行距離(MA)

購入理由では、“静粛性が高かった(41.6%)”という電動化車両ならではの特徴も上がっており、満足度でも、「快適な走行」、「燃費がよく、静かに走り快適」などのコメントが見られた一方、その静粛性の高さが裏目に出て、「ロードノイズがうるさい」とデメリットを挙げる声もあった。

そのほか、“最新の機能に興味があった”、“環境にやさしい”、“補助金を利用できた”などのPHEV(あるいはEV、ハイブリッド)ならではの購入理由が高く、積極的にPHEVを選んで購入していることを伺わせた。一方で、一般的なクルマ選びで購入理由の上位として挙げられる“スタイル/デザインが気に入った”“室内が広かった”、“荷室が広かった”など、クルマのハード面の項目が相対的に低いことも特徴となっている。つまり、PHEVがまだ一般化していない(競合他車がない/なかった)ということが言えるだろう。

さて、満足度を聞いた自由回答の中で、特徴的なものとして注目したいのが、「楽しい」、「十分EVを楽しんでいる」、「静粛でしかも力感ある走りができる」「悪路の走破性も最高レベルの性能をもつ。運転の楽しさとアウトドアライフを満喫できる頼もしい相棒(アウトランダーPHEV)」など、運転の楽しさも感じられているというコメントが見られ、購入理由では23%とそれほど高くなかった“運転そのものを楽しめる”に対しての期待値を大幅に上回っているようだ。

一方不満点では、モーターのみで走行できるEV航続距離に関する内容が多く挙げられた。「どうしても人間は欲が出るもので、もう少し、いや100kmくらいEVモードで走れたらいいなと思う」は極端にしても、「EV走行距離が50kmくらいはほしい」など、具体的数字を挙げての要望がみられた。実際の使用用途でも、ほぼ毎日運転(53.6%)し、その距離は~30km(66.9%)ほどなので、少し余裕を持った数字を挙げていると思われる。

《まとめ:内田俊一、レスポンス編集部》

[ガズ―編集部]