【PHEVオーナーに聞いた】 「充電事情」

プラグインハイブリッド車(PHEV)オーナーに、PHEVがある生活のメリットや満足度など、その実態を聞いていくレポートの第2回目(全4回)。今回はPHEV最大の特徴のひとつである「充電事情」についてオーナーの生の声を紹介する。

調査は、国内でトヨタ『プリウスPHV』(現行型)と三菱『アウトランダーPHEV』を所有するオーナー209名(プリウスPHV:94サンプル、アウトランダーPHEV:115サンプル)で、インターネットによるアンケートを実施した。

充電設備の有無

深夜電力契約状況

自宅での充電頻度

88%がPHEV購入に合わせて自宅に充電設備を設置

PHEVやEVを所有する上で、やはり最も気になるのが自宅での充電事情だろう。今回の調査では、PHEVユーザーの約8割が一戸建てに住んでいることがわかった。200Vの充電設備を自宅に設置しているユーザーも8割。設置していないユーザーは12%だった。さらに、自宅の充電設備は、88%が今回のクルマの購入に合わせて設置していることもわかった。

クルマを使用した後の充電は“必ず充電している”が58.2%、“必ず充電しているわけではない”が41.8%という結果であった。また、充電頻度は“ほぼ毎日”が41.8%、“週に4~5回”まで加えると5割を超えている。一回あたりの充電時間は1~4時間が中心である(以上全て自宅に充電施設があるユーザーのみ回答)。

では、自宅に充電施設があるにもかかわらず、毎日充電をしない理由とは何か。具体的には、大きく3つに分けられる。ひとつは「あまり減ってないから」、「充電するほどの使用量でないときは、あえてしない」など、電池の残量があるパターン。2つめは、「バッテリーの残量が半分を切らないと充電しない」、「翌日の使用予定に併せて充電」など計画的に充電を行うパターン。そして最後は、「満充電にするとバッテリーの寿命が短くなること」など、バッテリーの寿命を気にして、満充電、完全放電を繰り返すパターンで、これらのパターンを単独、あるいは組み合わせた理由になっていた。これ以外には、「会社や商業施設で充電するから」といった理由や、「回生エネルギーで電気を貯める」とエコ運転技術に自信を持ったオーナーの声も聞かれた。

充電設備のコスト低減に要望

自宅に充電設備がある/ないオーナー双方に対し、自宅にある充電施設に対しての要望を聞いたところ、「急速充電対応」、「充電時間の短縮」、「設置費用の低減」が挙げられている。特に設置費用に関しては、「充電設備設置・工事の補助金申請が非常に大変であり、エコカー導入を国策として実施しているのだから、その協力者であるユーザーへの配慮、対応を考えてほしい」、「設置費用がもう少し安いとありがたい。タイマーとボックスを付けて5万5000円だった」といった具体的要望も。

そのほかの要望としては、「リモコンで操作が出来ること」、「コードの収納性」、「タイマー設置」、「機器のコンパクト化」や「雨の日でも普通に充電できるように」など、利便性向上に対する要望があり、究極は「プラグを挿し込まず充電できたらうれしい」といった、非接触充電に対する期待も見られた。

自宅外での充電頻度

普段利用している自宅以外の充電施設(MA)

自宅以外での充電は…

​PHEVの大きなメリットとして「自宅で充電できること」が挙げられるが、自宅以外での充電頻度を聞いたところ「自宅以外で充電しない」人は全体の約4割。続いて多かったのが自宅以外での充電が「月に1回未満」で13.9%、「週に2~3回」が11%と続いた。また、充電施設として利用するのはプリウスPHV、アウトランダーPHEVオーナーともにカーディーラーが最も多く、約半数を占めている。

また充電設備別では、電池容量や対応プラグによる影響もありプリウスPHVの76%が200V充電、アウトランダーPHEVの60%が急速充電と分かれた。この違いが1回の充電時間にも見られ、アウトランダーPHEVは40%が20~30分なのに対し、プリウスPHVは41%が1~2時間となっている。この充電時間については「やや不満」「不満」の合計が48%と、約半数がもっと短い充電時間を望んでいる。また、「もっと安くして欲しい」といった金額に対する改善を求める声もあった。

《まとめ:内田俊一、レスポンス編集部》

[ガズ―編集部]

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