【TMS特集】GAZOO編集部が選ぶ未来の愛車 家族のお出かけにピッタリ!~ファミリー編~

発売間近のモデルから、将来のファミリー像を占うコンセプトカーまで、ここでは「家族のお出かけにピッタリ」をテーマに、東京モーターショー出展車両の中から6台を選んでみた。ぜひ、「次期愛車候補」として考えながら見てほしい。

●トヨタ Fine-Comfort Ride [コンセプト]

アルファード/ヴェルファイアのようなラグジュアリーなミニバンは将来、どのようになるのだろうか? その答えのひとつが「Fine-Comfort Ride」だ。2列シートのうち前の2列には、自由にスライドや回転ができるシートを採用。自動運転により、運転席/助手席と後席の乗員が向かい合ったまま移動ができる。主に、打ち合わせをしながら移動をするといったビジネスシーンでの利用が想定されているというが、家族で旅行に行くときにも役立つものだ。なおこのクルマは、車輪内に電気モーターを内蔵する「インホイールモーター」方式を採用した、FCV(燃料電池車)である。使い勝手も未来的なら、パワートレインもまた未来的なのだ。


<未来の愛車指数>
★★★★★
移動時間を楽しく過ごすという全く新しい価値観に期待。愛車の楽しみ方が広がる時代が来る!

  • コンセプトカーらしいコクピットだが、足元スペースの広さに注目してほしい。電気モーターを車輪内に設置する「インホイールモーター」方式の採用で、いわゆる「エンジンルーム」が不要となったことで、広大な室内空間が実現している
  • VR(仮想現実)でこのクルマのドライブをヴァーチャル体験したみたところ、「向かい合って座る」というスタイルが新鮮だった。顔を見てコミュニケーションをとりながら移動をする。それが当たり前になる時代もくるのかもしれない

●ダイハツ DN MULTISIX [コンセプト]

ハリアーにも似た切れ長のヘッドライトが特徴的なこのクルマは、ダイハツが発表したSUV……ではなくミニバンのコンセプトカー。そう、こんなにスタイリッシュなのに、3列シートを持つ6人乗りのミニバンなのだ。ボディサイズは全長約4.3m×全幅約1.7mとコンパクトだが、室内高を広くとっているため、室内空間は広々。SUVのスタイリングとコンパクトミニバンの使い勝手を両立した、欲張りなクルマだといえそうだ。一人で出かけるときでも家族みんなで出かけるときでも、どんなシーンにもマッチする新しいミニバンは貴重。発売予定はなく純粋なコンセプトカーだそうだが、「こんなクルマ、乗ってみたい」と思わせてくれた。

<未来の愛車指数>
★★★☆☆
家族での移動に必要な空間と、スタイリングの両立。気に入れば全てがこなせる愛車になる。

  • 「コンパクトなクルマでも上質な空間を演出したい」と、ホワイト/ブラウンのコントラストカラーを採用したインテリア。まるでおしゃれな部屋にいるような、落ち着いた雰囲気が漂う。全面ディスプレイのインパネはコンセプトカーらしいが、未来のクルマはこうなっていくのかもしれない
  • 1/2列目シートは、自由にスライドすることができるユニークなデザインの独立式を採用。3列目へは、2列目シートを前方へ倒すことでアクセスする。フラットなフロアも特徴的だが、そのものが木目であることにも注目。インテリアのムードを決定づけている

●マツダ CX-8 [市販予定]

ミニバンの生産を終了するマツダによる、新しい3列シート車の形がこのCX-8。スタイリングはCX-5のロング版といったところだが、実はアメリカ専用車CX-9をベースにしているとか。もちろん、本格なミニバンほど3列目は広くないが、それでも大人がきちんと座れる広さは確保されており、「いつもはSUV、たまにミニバン」という使い方ができる。2列目シートは独立した2席タイプのものが2種類と3席タイプのもの、計3種類が用意されるからライフスタイルに合わせて選べる。SUVでキャプテンシート(独立シート)は珍しく、「人とは違うクルマに乗りたい」という欲望も満たしてくれそうだ。

<未来の愛車指数>
★★★★☆
すぐにでも登場する「カッコいいファミリーカー」。脱ミニバンのおしゃれ家族におすすめ。

  • 写真の2列目シートは、最上級グレードに設定されるアームレスト付コンソールボックスのある2席タイプ。このほかに、ウォークスルーができる2席タイプとベンチシートの3席タイプがあり、グレードに応じて設定される
  • 3列目には2人が乗れる。広さやアクセス性はミニバンに劣るが、乗ってしまえば意外や快適。大人でも短距離の移動なら問題ない。ディープレッドのレザー素材が上質な雰囲気を演出する

●スズキ クロスビー(XBEE) [参考出展]

コンパクトでかわいくて、使い勝手も走破性も高いSUVがあるとしたら、いかがだろうか? 「XBEE(クロスビー)」は、「スズキの遊べる軽」としてヒットしている「ハスラー」の“普通車版”ともいえるクルマ。ハスラーが持つデザイン性や実用性の高さはそのままに、普通車ならではの走行安定性や広い居住空間、そしてリヤに3人が座れるシート(=5人乗り)を持つ、新型コンパクトSUVだ。見た目はハスラーに似ているが、実際に同じパーツは「ドアハンドルぐらい」とのこと。イグニスのプラットフォームをベースに、本格的な4WDシステムを搭載するため、走破性も高い。発売は「そう遠くない」という。家族みんなで出かけたくなる、元気の湧き出るクルマだ。

<未来の愛車指数>
★★★☆☆
楽しいクルマをファミリーカーにしたい!そんなアクティブファミリーにうってつけの「遊べる愛車」。

  • ボディはコンパクトだが、後席空間はご覧の通り。格納式のシートバックテーブルは、ファミリーに嬉しい装備だ。助手席を前に倒せば、テーブル代わりに使えたり、長い荷物を積んだりすることができる
  • 荷室は深底タイプとなっていて、ボードを起こせば、ベビーカーを収納できるスペースが現れる。「クルマはコンパクトカーがいい。でも、ベビーカーが乗らないから……」と諦めていた人も多いのではないだろうか?

●フォルクスワーゲン ポロ [市販予定]

アウトバーンの国、ドイツのクルマは走りのよさ、特に高速道路での安定性や快適性に優れている。それはコンパクトカーでも変わらない。ヴィッツやデミオなどと同じ「Bセグメント」にカテゴライズされるフォルクスワーゲンのコンパクトカー「ポロ」がフルモデルチェンジした。全幅が60mm拡大されて3ナンバーとなったものの、4055mmの全長は十分にコンパクト。ゴルフ譲りの走りや乗り心地のよさは、先代から定評があるので、「普段は都市部での日常使いに、週末は遠くにドライブへ」という人にピッタリのクルマだといえるだろう。

<未来の愛車指数>
★★★★☆
大きいクルマでは持て余す都市部のファミリーにピッタリ!おしゃれだが走りも本格派。

  • クラスを超える質感の高さは、歴代ポロの伝統。ステアリングやシフトノブは、ゴルフやパサートと共通で、高級感すら感じさせてくれる。見た目も走りも、「コンパクトカーだから仕方ない」と諦めるものはなにもない
  • ゴルフやパサートで採用されていたフルデジタルメーターを設定。ここには、ナビ画面など状況に応じた情報が表示される。フォルクスワーゲンは、上級車種の装備を積極的にコンパクトクラスに展開していく姿勢を持つ

●ホンダ オデッセイ [市販予定]

Lクラスミニバンの中でも、スタイリングや走りのよさで選ばれているオデッセイのマイナーチェンジモデルが公開に。エクステリア/インテリアの変更も気になるところだが、注目すべきは安全運転支援システム「Honda SENSING」が全車に標準装備されること。ACC「アダプティブ・クルーズ・コントロール」には、前走車が停車すれば合わせて停車する「渋滞追従機能」もプラスされる。大勢で出かけることも多いミニバンだけに、こうした安全運転支援機能の強化は大歓迎! これから新車を購入するなら安全運転支援システムの充実度は要チェックだが、この内容なら積極的に選びたい。

<未来の愛車指数>
★★★☆☆
堅実な進化。安全装備も含めたトータルパッケージで間違いない選択。

  • 低床フロアにより、全高を低く抑えながらも高い室内高を確保しているのは、オデッセイの特徴のひとつ。オットマンを装備するこのシートは「2列目プレミアムクレードルシート」と呼ばれるタイプだ
  • サードシートは床下収納タイプで、使わないときにはご覧のように広い荷室が出現する。3列目シートのサイズは若干小さくなるが、3列目シートを頻繁に使わない人にとって、使い方の幅が広がる嬉しい形のシートだろう

[ガズー編集部]