
特別取材第二回目は、前回に引き続き、富士スピードウェイで開催された「トヨタモーターフェスティバル(TMSF)2006」から、トヨタのテストドライバー、トップガンの助手席同乗体験をレポートした。

小雨まじりのサーキットを8台のスープラが等間隔で周回を重ねている。
8台が一糸乱れず全く同じトレースを描きながら、コーナーを横滑りして走りぬけていく。
コース脇で、傘もささずドライバーに向かって合図を送る男、この人こそ、トヨタのマスターテストドライバーである成瀬さんだ。
そして走っているのはその弟子とも言えるテストドライバーの中から選りすぐられたトップガンと呼ばれるチームだ。
このイベントはトヨタのトップガンの助手席に同乗体験でき、ドライビングテクニックを間近で見られると言うクルマ好きには見逃せない催しもの。当日は雨にもかかわらず、順番を待つ長蛇の列が出来るほど賑わっていた。

そもそも、トヨタにはトップガンという呼名は無いそうだが、車両の走行試験、評価、改善を行う300人以上の技能員の中から、特に運動性能である走る・曲がる・止まるの性能向上に強く関わり、トヨタ車の造り込みの方向性(テイスト)を決める人達(数名)を慣用的にそう呼ぶこともあるそうだ。
これらの人達、つまりテストドライバーは、
・一般ユーザーから、プロドライバー、モータージャーナリスト等の走りが再現できる
・確実な運転に基づき、現象を言葉で伝えられ、更に性能改善ができる
・国内外の様々な使われ方、走りの環境を知っている
などなど、幅広い知識、運転技能、経験を有することが要求される。
「画龍点睛を欠く」「仏作って魂入れず」ということわざがあるが、まさしく彼らがいなければトヨタの車は完成しないと言っても過言ではない。
メンバーは、先のレポートでも紹介したマスターテストドライバーの成瀬弘さんのほか7名。合計8名の精鋭によってチームが構成されている。彼らはレーシングドライバーに匹敵する高度な運転技術を持ち、走行中の1000分の1Gの変化さえも見逃さない鋭い感性を兼ね備えている。